ファイル更新日:2022年11月25日
教育・就職
■卒業研究シラバス■
●浜中 真志
学部・大学院区分
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理学部 |
時間割コード
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科目区分
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専門科目 |
科目名【日本語】
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数学研究 |
科目名【英語】
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Undergraduate Seminar |
コースナンバリングコード
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担当教員【日本語】
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浜中 真志 |
担当教員【英語】
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Hamanaka, Masashi |
単位数
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6 |
開講期・開講時間帯
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春 水曜日 3時限 春 水曜日 4時限 |
授業形態
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セミナー |
学科・専攻
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数理学科 |
必修・選択
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選択必修 |
授業の目的【日本語】
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テーマ:素粒子論に関わる数理と物理
物理学と数学は, ニュートン力学と微積分 ,アインシュタインの一般相対論とリーマン幾何学, ゲージ理論とファイバー束, のように互いに密接に刺激し合いながら長年に渡り相補的に発展してきた. この流れは21世紀になった現在も続いている. 特に素粒子の超弦理論において顕著であり,ミラー対称性, 超対称ゲージ理論, Dブレーンの研究を通じて, 次々と新しい数学が見い出されている.
この講義では素粒子論・数理物理関連のテキスト・論文の輪講を行う. 内容は上記の素粒子論と現代数学との交流に関わるものを意識しているが,数学の文献ではなく物理の文献がほとんどであることにご注意ください. 詳細はガイダンスにて説明する.
今年は素粒子論の基本原理の一つである相対性原理を主に議論したい. (他の基本原理としてはゲージ原理, 変分原理などがある.) これは「物理法則は誰から見ても同じであるべし」という哲学のことであり, 座標変換による物理法則の不変性を言い表しているのだが, これと実験事実を合わせることで時間空間に関する驚くべき帰結が得られる. これが有名なアインシュタインの相対性理論である. 座標変換を一次変換に限定したものが特殊相対性理論, 一般座標変換に広げたものが一般相対性理論である. 後者は等価原理と合わせることで重力を記述する理論となる. 一般相対性理論の基本方程式がアインシュタイン方程式であり, その解としてブラックホール, 膨張宇宙, 重力波が予言される. |
授業の目的【英語】
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Theme: Basic of Fundamental Physics
I would like to discuss some topics on fundamental physics, especially relativity. |
到達目標【日本語】
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素粒子論の基本法則を理解し, 種々の物理量を自在に計算できるようになる. 数学と物理学の違いを理解する. |
到達目標【英語】
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All students understand basic of fundamental law of nature. |
授業の内容や構成
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毎週1回セミナー形式の輪講を行う. テキストの候補は以下の参考書一覧にある.
今年度は,[1]をメインテキストとして素粒子論の入門的題材(主に古典論)を取り扱いたいと思っているが,参加者の希望を最大限尊重したい.本書は前半が特殊相対性理論,後半が一般相対性理論と電磁気学(最後に弦理論のさわり)という構成となっている. 解析力学などの物理学の背景が必要な場面もあるが, その都度補足したり, 立ち返って関連テキストを読むなど対応していくつもりである. 他の候補として思いつくものを[2]以降に挙げてみた.([8]-[10]が過去に取り扱ったテキストである. 素粒子論に関わる数理を議論した. このようなものでも構わない.)
物理のテキストとして読み進めたいと思っているので,数学的側面は舞台設定と割り切って,具体的計算を重視してどんどん先に進みたいと考えている.[1]が早く終わった場合はゲージ理論のテキスト[2,5,6]あたりに続けていくこともできる. こちらは素粒子の標準模型に関わる理論である. |
履修条件
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定員超過の場合の選考方法:面談(Zoomも可)にて実施する.面談の日時をメールにて相談し, 直接お話をして,自分自身の興味や身に付けている知識,卒業後の目標・希望進路などを伺い,こちらからはこのゼミの趣旨(特に物理と数学の価値観の違い)を説明する.出来る限り話し合いで調整を行いたいと考えているが,最終的にはこれまでの履修科目(特に物理関連)を考慮する可能性もある.それでも決まらない場合はくじ引きか教員の判断で決める.
This course will be taught in Japanese. |
関連する科目
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数理物理学I, 数理物理学II |
成績評価の方法と基準
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毎週の発表・議論に基づく. (フォローアップのため簡単な宿題を出すこともある) |
不可(F)と欠席(W)の基準
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総合的に判断する |
教科書・テキスト
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*[1] 米谷民明「相対性理論講義」臨時別冊数理科学 SGCライブラリ146 (サイエンス社, 2019年) |
参考書
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[2] 近藤慶一「解析力学講義」(共立) [3] 谷村省吾「量子力学10講」(名古屋大学出版). [4] 坂本眞人「場の量子論」量子力学選書 (裳華房). [5] 内山龍雄「一般ゲージ場序説」 (岩波). [6] 小林昭七「接続の微分幾何とゲージ理論」(裳華房). [7] Maciej Dunajski, ``Solitons, Instantons, and Twistors," (Oxford UP).
[8] 山内恭彦・杉浦光夫「連続群論入門」(培風館). [9] 高崎 金久「ツイスターの世界」(共立). [10] 広田良吾「直接法によるソリトンの数理」(岩波). |
課外学習等 (授業時間外学習の指示)
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フォローアップのための宿題を課すことがある |
注意事項
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数学ではなく物理学の議論を行う. この点は十分ご留意ください. |
質問への対応方法
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NUCTのメッセージ・メール・ZOOMなどで随時受け付ける |
他学科聴講の可否
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可 |
他学科聴講の条件
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レベル
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2 |
キーワード
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素粒子論,数理物理,相対性理論,ゲージ理論,場の理論,弦理論, 量子力学, ソリトン |
履修の際のアドバイス
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物理が好きであること,物理の議論に抵抗がないこと,これらがまず重要かと思います |
授業開講形態等
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NUCT等にて連絡する. |
遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置
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