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個々の群共変的な純粋状態族
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tokubetu1
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1次漸近論
群対称な状態族の一般論
以下では,先に述べた boson coherent 状態族や spin
状態族のように群の作用に関して共変的な状態族 に対する非漸近的な取り扱いの下でのミニマックス法や Bayes 法について述べる. 以下の内容はHolevo[
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]により定式化された. 群
の Hilbert 空間
へのユニタリ表現
を考え, 状態族
が群
の作用
の下で不変であるとき, 状態族
はユニタリ表現
について共変的という. 特に,状態
を
と記すことにする.
ユニタリ表現
について共変的な状態族
に対して,推定量
が以下の条件を満たすとき 推定量
は共変的とよばれる.
共変的な状態族
については次の量子 Hunt-Stein の定理が成り立つ.
定理 1
risk 関数
が群
の作用に関して不変とする. このとき,以下の式が成り立つ.
さらに, Hilbert 空間
の次元が有限であり,
上の事前分布
が群
に関して不変であるならば,
となる. また,さらに表現
が既約であるとき,
(3)
となる.ただし,
は以下で定義される.
無限次元の場合は
を
となる
上の群作用不変な測度
に置き換える. ただし,一般には既約表現
に関して共変的な状態族であっても,
が無限次元であれば, そのような
が存在するとは限らない.
ここで
そのものは
の取り方に依存するが,
の固有値は
の取り方に依存しないことに注意されたい. したがって(
)の右辺の値は
の取り方に依存しない.
Masahito Hayashi 平成13年7月10日