名古屋大学 大学院多元数理科学研究科・理学部数理学科
住所: 〒464-8602 愛知県名古屋市千種区不老町

社会連携 - 数学アゴラ - 過去の情報 - 2005年度

  • WELCOME
  • 行事予定
  • 交通案内
  • 進学案内
  • 教育・就職
  • 研究情報
  • 人々
  • ジャーナル
  • 名古屋大学 理学図書室
  • 採用情報
  • 社会連携
  • 名古屋大学数理科学同窓会
  • アーカイブ
  • リンク

ファイル更新日:2006年03月06日

社会連携

2005年度数学アゴラ (続き)

秋の継続コース

ここ2年ほど休止していた数学アゴラの秋の継続コースを今年は復活致します.講義予定は次の通りです.

1. 趣旨

数学とその応用に興味・関心を持つ高校生・高校教員に対し,現役の数学研究者が継続的に数回の講義を行ない,最先端の研究にもつながる内容をわかりやすく解説する.

2. 講義題目

数と幾何

3. 講師

寺西鎮男 (名古屋大学大学院多元数理科学研究科 助教授)

4. 主催

名古屋大学大学院多元数理科学研究科

5. 後援(予定)

  • 愛知県教育委員会
  • 岐阜県教育委員会
  • 三重県教育委員会
  • 名古屋市教育委員会
  • 日本数学会中部支部

6. 日時

2005年11月5日(土),19日(土),26日(土) 計3日間

15:00〜17:00 (予定)

7. 会場

名古屋市千種区不老町
名古屋大学 理1号館(大学院多元数理科学研究科) (教室は未定)

8. 対象者

高校生及び高校の数学教師あわせて30〜40人程度
(応募者多数の場合は抽選により決定)

9. 参加料

無料

10. 参加申込

9月頃に愛知県,岐阜県,三重県の各高校に案内(募集要項等)をお送りする予定

11. 講義概要

秋のアゴラでは,図形の持ついくつかの性質をテーマにして3回ほどお話したいと思います.より具体的には次ぎのような項目についてお話をするつもりです.

  1. 周の長さが一定な平面図形のなかで最も面積の大きな図形は円である,という命題は,直感的には正しそうに思えますが,どうやって証明すればいいのでしょうか.実は,平面図形の周の長さとその面積は無関係ではなく,それらの間には等周不等式と呼ばれるある不等式が成り立ちます.この講義では,図形どうしの「足し算」を考察して,それ自身としてもたいへん面白いある不等式を証明し,そしてその応用として等周不等式を証明します.予備知識は特に仮定しませんが,ベクトルの足し算について慣れていると理解しやすいかもしれません.また,図形の面積や周の長さを扱いますので証明には極限の考え方を使います.しかし微積分の具体的な知識が必要なわけではありません.
  2. 同じ半径の円板をたくさん用意します.これらの円板を重ならないように平面上に並べて,円板たちが最も密に並ぶようにするのには,どのように並べたらよいか,という問題を考察します.証明にはオイラーの定理という位相幾何学の定理を使いますが,このオイラーの定理を含めて,講義で使う定理については原則的にすべて証明を与えるつもりです.
  3. 図形にへこみがないとき,正確に言えば図形のかってな2点を結ぶ線分がその図形に含まれるとき,その図形は凸であるといいます.原点について対称な凸な平面図形の面積が4より大のとき,その図形は座標成分が共に整数であるような原点以外の点を,少なくともひとつ含む,というミンコフスキーの定理を証明します.この定理は「数の幾何」という,整数論と幾何を結び付ける分野への入り口です.この講義ではミンコフスキーの定理を用いて,4で割ると1余る素数は2つの平方数の和として書ける,という定理の証明など,いくつかの応用を述べるつもりです.

12. レポート

講義終了後にレポート課題を提示する予定です.義務ではありませんが,意欲のある方はレポートを作成して提出してください.

多くの熱意ある皆さんのご応募をお待ちしています.