数学演習

各自、elementary integrationを印刷し、 区切り記号にしたがって学習・発表していただきます。
質問等はメール (yamagami@math.nagoya-u.ac.jp)でお問い合わせください。
成績は、発表ごとに授業日誌への貢献度を判定し、規定回数発表した場合に限り、そのうちの一番良いものを最終成績とします。

授業日誌は毎週更新していきます。古いのが表示されるようでしたら、再読込みしてみて下さい。


4月12日

Daniell の原論文が、ネットで公開されていました。 100年以上前に書かれたとは思えぬ現代的かつ明快なものです。
これとほぼ同時期に出版された Caratheodory の本と読み比べてみると、 こちらも今に通用する書き方に驚かされます。
数と集合の話から始まり、p.160 の辺りで Cantor 関数がさり気なく触れられています。 有名な外測度は、p.238 に äußeres Maß として出てきます。

話は変わって、欧米の大学には、honors program とか honors course というのがあって、数学で言えば、実用的な数学に対して理論的なそれを指すようです。
ただしその内容は、場所と人により様々。
実例をお目にかけると、 Honors Calculusとか。 これの積分が関係する章を見ると、そのカバーする内容・程度はこの数学演習のテキストと似たり寄ったりであることが見て取れるでしょう。
ただし、扱っている積分がいわゆるリーマン積分に限定されていて、その不自由さが全体の有用度を縛っているように見えます。
もう一つ今となっては古い本ですが、Jost の Postmodern Analysis (2005) を挙げておきましょう。
これはいろいろな意味で Dieudonne を意識したもので、 リーマン積分不要論と叙述スタイルを踏襲しつつも、過度の抽象化は避け、微分方程式方面への接続を目指していると言えるでしょうか。
ただ、ブルバキの欠点であった一変数と多変数の積分のつながりの悪さは、そのまま引きずっているように見えます。
これは、初等積分とルベーグ積分の間のギャップもそのまま抱え込んでいるということでもあり、postmodern になりきれていない印象を与えます。
新しい honors program の積分のあり方の試みの案とでもいうべきテキストとの違いがわかるでしょうか。

4月19日

初回は、少しずつ時間がオーバーして、最後の人にしわ寄せが。
次からは、時間をオーバーしないように塩梅してください。

(1-1)(1-2)(大橋怜)、 (1-3)(1-4)(千葉多聞)。


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