第6日目:10月17日(火曜日)

【インターネット常時接続の幸せ】

起きてすぐさまホテルへ移動。家具屋が荷物を搬入してくるのが12時なので

それまでに家具の配置などを決めておかなければならない。といってもリビング

とベッドルームだけなので後はテレビの位置が決まれば、自ずとソファーの位置

も決定する。それから、昨日の問題点であった電話をかけてみる。外線番号8を押す。

そしてダイアル。見事に電話をすることができた。次にインターネットの接続作業を開始する。

事前の調査ではこの建物の住人に対してはDHCPサービスによってIPを

割り当てているらしいので、持ってきたG3を接続してTCP/IPのコンパネ

を開いてDHCPの設定をする。が、やはりいつものように、つながらない。

IPを取ってはいるがへんなマスクがかかっている。これでは外に情報が出せないではないか。

何度か設定のパターンを変えてトライしてみる。さらにもう一度電話をつないで

PPPからのHousing OfficeのHPにアクセスして接続方法の再確認などをしてみる。

が、どこにも間違いはなさそうだ。多くの場合こういうときは線を確認….

よくみるとこのEtherケーブルはクロスであることが判明。

慌ててストレートケーブルを買いに走った。買ってきて早速線を交換。

今度は見事に繋がった。PPPと違い100Mイーサーなので接続が早い。

目が覚めるくらい早い。幸せである。

 

この幸せを妻と分かち合うべくインターネットによるムービングセールにトライする。

YYLAというロサンゼルス在住の人のためのHPがあるので、そこへアクセス

してムービングセールのページに入った。たった一年ほどの滞在なので、

この際掃除機や靴置きなどは中古でよい。テレビなどもここからゲットしてみたいと思う。

すると活発に売買が行われている。ロスに住む日本人のなんと多い事よ。これら

の情報から4件ばかり問い合わせてみることにした。

 

【家具の搬入】

そうこうしているうちに、家具屋の配達が来た。てきぱきと作業をすませてくれる。

Student Packageというから、どんな物が来るかと半ば期待、半ばおそれていたが

#何度も言うが、アメリカにおいては最低品質保証という概念はないのである。

見てみると悪くはない。木で作った机に白いニスのようなペンキをぬってあるだけの

シンプルなデザインであるが、かえってこの方が落ち着いていて良い。

アメリカでの標準的な家具は過装飾で、ちょっと日本人には落ち着きを感じる

ことはできないものが多いのだが、安っぽく作ってある方が帰ってシンプルな

感じがして良い。おおむね気に入った。

 

【寝具を探して三千里】

さて、ベッドが入ったら次はホテル生活から脱出して、ここで暮らし始めるための

道具をそろえなければならない。フライパン、鍋、ケトルに皿、洗剤からもちろん寝具まで、

ありとあらゆるものを買わなければならない。

 

まず向かったのはCentury City Shopping Centerである。

ここは中規模のショッピングセンターでデパート2軒とスーパー1軒、

それに各種専門店が20軒ほど入っている。ここでまず寝具を探すことにした。

Directoryを見ると、布団をおいていそうなところはMacy’s Bloomingdale’sしかない。

で早速回ってみる。しかしながら、日本のデパートで売っている布団が「西川」

の布団であるようにここで扱っているのはすべて「ラルフローレン」であり

「カルバンクライン」であるので、我々のような低所得ぺーぺー日本人が一年の

仮屋で使用するにはあまりにも高すぎて買うことができない。

(だいたいフルセットで600ドルぐらいはする)我々が求めているのは

ダイエーで売っている程度の寝具であり、このようなものではない。だいたい

普通のアメリカ人がこんな高い物を買っているはずがない。

どうやらここは来るところを間違えたようだ。

 

【食いしん坊万歳!−Panda Express

次にどこへ買い物に行くかを相談する時間を兼ねて我々はPanda Expressという

中華のファーストフードのお店でやや遅めの昼食を取った。

チャーハンを皿に盛り、あとはカウンターに並べられている中華の料理を2品

あるいは3品選んで食べるというシステムである。味はまずまず。日本にも進出

しているらしいが、これならまあ及第点であろう。ただ一つつらいことと言えば、

ソフトドリンクの量が多いことぐらいである。

 

【寝具を探して三千里(続)】

昼食中の相談の結果、先日訪れたSawtelleのニジヤに行って、日本の調味料類を

購入ついでに、そのへんの日本人をつかまえて、布団をどこで買ったらいいか

聞こうと言うことになった。車を走らせること20分。再びニジヤにやってきた。

店内で、味噌、味噌、醤油、ほんだし、味の素、みりん、料理酒などなど

普段日本で使っている調味料を買った。あと、日本のキッチン周りであたりまえのように存在する道具類、

たとえば「万能包丁」、「ざる」とかは、こういうところでしか手に入らないので

買っておくと便利である。とりあえず必要な物をゲットして、店内で四方山話に

興じる日本のお姉ちゃんにベッド用の布団のありかを訪ねる。すると「Ross」という

店にいくのがよいと教えてくれる。この店は衣服を大量に安売りする店だそうで、

多くのアメリカ人が利用しているとのこと。一年しかいないのなら、

そんなところで買う方がいいと思うと教えてもらい、二人はRossへ向かう。

まずはWestwoodにあるRossへ。入ってみると確かに衣服が所狭しと並んでいる。

しかし、寝具はおいていない。お姉さんにだまされたのか?と思ったが、彼女が

言ってたRossというお店はWestwoodのそれではなくて、SawtelleのどこかにあるRossかもしれない。

名前が同じRossだからといって、同じ品揃えだとは限らない、これがアメリカの商売の基本である。

しかたがないので、もう少し他のお店を当たってみることにした。走ること30分、

今度はWestwoodからWilshire通りを少し西に行ったところにもRossがある。

今度は2階建てでやや大きい。ここは期待できると思い駐車場に迷うことなく滑り込む。

店内に入る。でかい。地下に寝具売場があることを知り、早速向かう。するとある。

しかも安い。掛け布団がなぜか20ドルで売っている。この値段のギャップは何

なのだろう。よく見るとこの安売り品にも「Irregular」と「FIRST QUALITY」と

いうカテゴリーがある。買うときは何のことかわからなかったのだが、

後で分かったことはIrregularというのは製品検査の時に穴あきや傷で引っかかった

商品、First Qualityは型落ち、あるいは在庫流れのようなものをいう。私たちは

Irregular品を買ったが、穴が開いていた。穴自体は2センチぐらいのものなの

なので、一年しか使わないから別にこれで不満はないが、その穴の開いている

部分をはっきりさせるために赤いペンで「どうだぁー」といわんばかりの

丸い印が書いてある。(もちろんとれない)傷に傷を重ねるようなもので、

もうB級なのは、わかったからやめてくれーと叫びたい気分である。

これはもういじめだ。なんだか、こんなことで一喜一憂している自分を

見ていると、なんとなく貧乏人になったような気分である。今にして思えば

Rossに来ている客は、どことなく薄汚い(差別か!)格好をしたおじさん

おばさんばかりで、彼らが殺気だって、安い(そして品質のよくない)商品

を奪い合うように探していたようだ。

 

ここでアメリカの寝具についてふれておく。アメリカは当然ベッド暮らしである。

そこにパッドをひいて、上にシーツ(Full Sheets)をかけ、それからまたシーツ

(Fit Sheet)をかけそれに逢わせるように掛け布団(Comforter)をかける。

後は枕(pillow)を二つ用意すればよい。サイズは4種類。Twinというサイズ、

しかし一人用のベッドサイズ(主に子供用)。次にFullというサイズ。

これは我々のゲットしたサイズだが幅が59インチで高さが74インチある。

日本人が二人寝るならこれくらいが適当。それからQueenKingと続く。

さらにCalifornia Kingというサイズがあって、これが一番でかい。86インチ、

86インチもある。誰がここで寝るねん?アメリカには目が醒めるくらい

ぶっといおばさんとかがいるから、年を取って夫婦二人が寝るのにこのくらいの

サイズが必要と言うことだろうか。

 

我々はFullサイズの寝具セットを買った。後、フライパンとか皿なども購入した。

 

アパートに戻る。これで明日からこの部屋で生活できる。明日でホテルをチェックアウトすることにした。

 

遅めの夕飯がこたえて、二人ともおなかがあまり空いていないので、SUBWAYで1オーダーして二人で分けて食べた。

 

 


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