San Diego
感謝祭の4連休の中二日を利用してSan Diegoへ小旅行することに しました。切符の手配などはソーテルのHISでしてもらいました。LAから は車で約2時間(200キロぐらい)なのですが、車を持たない二人は車 で行くことはせず、Amtrackつまり鉄道で移動することにしました。切符は HISの人が手配してくれました、ホテルも同時に予約したので、私たちは 後は鞄一つ持ってでかければいいだけです。鉄道のことについて少し書いておき たいと思います。アメリカのAmtrackはどうも日本の鉄道とは少し感覚が違います。 単なる「輸送手段」的な感覚で運行されているわけではなくて、あくまでも旅行の 一部としての「移動手段」的感覚で運行されています。 簡単にいえば、飛行機と 同じ感覚です。(といっても飛行機に比べて移動時間は格段に長くなりますが) チケットの発行は電話で予約、あるいは直接駅に行って買うことになります。 その時に乗車する人の名前を告げます。すると、予約システムにエントリが加えられて、 チケットの発行は旅行会社などが行います。飛行機のチケットを買う手順と全く同じですし 実際に手渡されるチケットも航空券とよく似たものでした。飛行機と違うのは駅で航空券 ならぬ乗車券を引き替えるcheck in が必要でないという点です。駅には空港と同じように Baggage Claimがあったりしますから、感覚としては国内便の飛行機に乗るのと同じです。 ひょっとしたら歴史的な経緯から考えて、列車のこのシステムが飛行機の方に採用されたの かもしれません。
列車の乗車予定時刻は9時40分でした。私たちの住んでいるWestwoodからUnion Station駅までは、車で行っても30分はかかる距離にあります。また、欧米の電車の駅は 普通街の中心から離れたところにありますので(これは、昔は蒸気機関車が走っていた頃の 名残りだと思います。もくもくと黒い噴煙をあげる機関車が街の中心に乗り込んでくるとたい へんだったでしょうから。)ダウンタウンを越えていかなければなりません。私たちはメトロ バスで Wilshire&Westernまで出て、そこから地下鉄Red Lineで終点のUnion Stationまで のルートを辿りました。およそ40分ほどの行程です。地下鉄は初利用でしたが、たいへん人が 少なく、駅も妙に無機質で薄暗かったので少しUnsecuredな感じがしました。さて、Union Station に着くと白い駅舎がたいへん瀟洒な佇まいを見せており、たいへん良い印象をうけました。 (右図は入り口の様子)広い駅構内には広い 待合室 があります。 そして構内は日本のように慌ただしく歩く人の姿などは全くなく、全米の各地へ旅する旅行者が静か に電車が来るのを待っているだけです。ところで、西海岸を走るのは電車ではなくてディーゼル車です。 ですからスピードもそれほど出ません。例えば200キロ先のSan Diegoまでは2時間45分もかかります。 新幹線なら大阪から東京まで行ってしまいます。というわけなので、移動時間を最優先させる人は列車に のることはしないので、列車で旅をする人というのは優雅な「列車旅」を楽しむ乗客だと言えます。 普通のLA市民はだいたい車を利用しますから、当然といえば当然でしょう。これがラグジュアリー感が 所々に漂っている原因だと思います。

Union Station の入口

San Diego列車の玄関口 Santa Fe駅

電車はすべてが2階建てです。日本の電車とは比べ物にならない程大きな車両で、列車もアメリカンサイズ です。これだけ大きい車両の中に4席しか並んでいませんし、各座席の前後の距離もたいへん広いものでした。 新幹線もこれくらいのサイズがあるとたいへん快適な乗り物になりそうですが、所詮単なる「高速移動手段」として 設計された電車ですから、そういうことを期待するのが間違いなのかもしれません。電車の名前はPacific Surfliner といい、文字通り燦々と太陽の降り注ぐ太平洋を横に見ながら南下していきます。鉄道はアメリカの都市と都市を結ぶ だけで、San Diegoまでに止まる駅は10個ほどです。LAとアナハイム、アーバインまでは結構街が発達していますが そこから先は広漠たる荒野の中を列車は驀進していきます。電車内は快適そのもので全く言うことがありませんでした。 車窓から見える美しい海岸の様子、そこでサーフィンに興じる人々の様子などを見ていると、3時間弱の電車旅も あっという間に過ぎてしまいました。私たちはSan Diegoの電車の玄関口のSanta Fe駅に到着しました。(右図)こ の駅はダウンタウンの直ぐ側に駅があり、そこからトラムやバスであちこちを回ることができるので観光にはたいへん 向いています。アメリカ小旅行第一段としてはなかなか恰好の土地だと思います。私たちはすぐにトラム(トロリー市電) に乗ってダウンタウンに向かい、今日の宿泊先のRamada Innでチェックインを済ませました。
San Diegoはメキシコとの国境からすぐの所にある全米でも最南端に位置する街です。メキシコからの流入人口も 多く、ここに済む人の半分は英語を半分はスペイン語を話すということで、街の公共機関のほとんどで2カ国語表記を 採用しています。街の雰囲気ですが、LAのダウンタウンなどは休みともなると閑散としていますが、San Diegoはダウンタウン のど真ん中にHorton Plazaという巨大なショッピングセンターがあるため、人々が集まり、その人たちを見込んで店が たくさん付近に立ち並びたいへん活気に満ちています。泊まったホテルもダウンタウンの一角にあったのですが、夜になっても 人の声が絶えることがありませんでした。話を戻します。私たちはホテルに荷物を下ろして、身軽になった後まずはこの Horton Plazaに行くことにしました。アメリカのショッピングセンターらしく中はたいへん巨大ですべてを見て回るだけでも 大変そうでしたが、買い物は今夜することにして、とりあえずここで観光情報(バス路線図とトラム路線図、観光情報の冊子) などを手に入れるだけにとどめ、早速町中へ飛び出しました。San Diegoの観光と言えば、まずはSan Diego Zooがあります。 それからSea World, Old Town, San Diego Bay Cruise それに メキシコ国境のティファナなどがあります。すべてを一泊 二日の日程で回るのは難しいので、今日はOld TownとBay Cruiseそして明日はZooに行くことに決め、最初の目的地のOld Town に向かうことにしました。オールドタウンへはトロリーのブルーラインに乗って約10分ほどで着きました。この街は National Historic ParkでSan Diego開拓当時の町並みを再現しそのまま保存しています。

オールドタウンの町並み。前に見える白い旗に はCalifornia Republicと書かれてあり、この街の誕生がカリフォルニア州誕生前の旗だということがわかります。

Heritage parkの町並み。昔の支配者層の家を再現したものです。 現在はB&Bとして観光客の宿になっているようです。

公園の中にはいると、どこからともなくフォルクローレの哀調が聞こえてきました。音楽の出所を辿っていくと、 私たちはレストランのテラス席が所狭しと並ぶ一画に出ました。この音楽はレストランのお客さんへのサービスとして バンドが奏でている音楽でした。テラス席なので別にお客さん出なくても音楽を楽しむことが出来ました。さて、この 村にあるレストランはメキシコ料理のお店が多く、観光客はタコスやブリトーに豪快にかぶりついていました。私たちも トライしたかったのですが、遠足気分全開で列車の中でお弁当のおにぎりをしこたま食べた後でお腹がそれほど空いていなかった のと、今ここで目の前のタコスにつられて食べてしまうと夜が食べられなくなってしまうと考えたので、ぐっとこらえて 公園の散歩を続行することにしました。(後で考えれば、このときに食べておけばよかったかも)街はこじんまりしているので 全部見て回っても一時間ぐらいで十分でした。さらに私たちは足を少し伸ばして、近くのHeritage Parkに行きました。ここは 要するに当時の裕福な層の済んでいた町並みを再現したもののようで、左の写真のように、たいへん美しい町並みを残して いました。現在はその多くの家はB&Bとして観光客の宿として利用されているようでした。ここは景観だけの場所だったので すぐにオールドタウンに戻り、少し買い物などをしてトラムに乗って、ダウンタウンに帰りました。
ダウンタウンいについて、次に向かった先はSan Diego Bayでした。ここから一時間コースと2時間コースのベイクルーズが 出ています。私たちはこの一時間コースに乗ることにしました。チケットは一人11ドル(観光情報誌のなかに割引クーポンが 入っていました)。出発は夕方の4時。この時間を選んだのには理由があって、ちょうど太平洋に太陽が沈む風景がクルーズ中に 見ることができるのと日が暮れた後にサンディエゴの町並みを海から眺めることができると予想したからなのです。(この予想は 見事に的中しました。)船の中では沿岸警備隊(Coast Guard)のガイド二人が最初から最後まで、このベイの見所を解説して くれます。サンディエゴは米国海軍の基地があり、多くの軍艦を目前に見ることができます。美しい日暮れと巨大な空母がこの クルーズの見所です。特にサンディエゴの対岸にあるColonado島とそこへかかる橋と夕暮れが美しかったです(右写真)。日は 暮れて、今度は目を陸地に向けると、闇にサンディエゴの夜景が一面に広がります。クリスマスが近いと言うこともあり 街はクリスマスデコレーションでたいへん美しく飾られていました。一時間のクルーズを満喫した後、二人は歩いてHorton Plaza に向かい、中で買い物をして、夕食を食べて、ホテルに帰りました。食べた夕食はプラザ内のフードコート内にある ファーストフードの中華(妻)とリブステーキ(私)に落ち着いてしまったため、なんら代わり映えのしない食事でした。 あのときにオールドタウンでメキシコ料理を食べておけばよかったような気がします。

サンディエゴの日暮れ。

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