注意:本スクールはすでに終了しています。
数学基礎論サマースクールは、年一回夏に開催されています。毎年テーマを決めて、その道の専門家の方に講師としてお招きして、大学院生など専門家でない方々を対象とした入門的な講義をしていただいています。
連続濃度の本質を、実数直線の位相構造や測度構造に関連して現れるいろいろな点集合の無限組み合わせ論的性質を通して理解しようとする研究は、「実数の集合論」と総称され、今日の公理的集合論の主要なテーマの一つとなっています。
本スクールでは、基数不変量、Cichon's Diagram など実数の集合論の入門的な話題についての講義を行う予定です。
基数、順序数、超限帰納法など集合論の基本的な概念の解説から始めていただく予定ですので、初心者の方にもお気軽に聴いていただけます。
宿泊情報(by 渕野さん)
この分野で最先端の研究をされている次の三人の方に講師を引き受けていただくことになりました(敬称略)。
この講義では測度0集合,ベールの一種の(現代の用語では meager な)集合, (無限)基数,順序数,順序数上の帰納法(超限帰納法), といった,他の2つの講義のための予備知識として必要になる事項について, 詳しく話す予定です.順序数上の帰納法については,その数学的な 応用についても,できるだけ触れたいと思っています.予備知識は, 数学科の一年生(一期生)で習う程度の素養以外は,特に何も仮定しません
チホンの図式とは、実数上の null イデアルと meager イデアル から得られる基数不変量達と \omega 上で組み合せ論的に定まる 基数不変量 b, d 間で成り立つ大小関係を表す図式である。この講演 では、チホンの図式の解説と不等式の証明を行う。
集合論のモデルについての基礎事項の概略を 証明ぬきで説明したのち、 現代の集合論に重要な役割を果たしている Cohen 実数とランダム実数という二つの概念を Borel コードを用いて紹介する。 また、Baire カテゴリーと Lebesgue 測度との密接な関係に 焦点を絞り、Cohen 実数とランダム実数のいくつかの性質を説明し、 Cichon の図式や基数不変量の値への影響についても話す。 時間があれば強制法の一般的な概念や性質にも触れる。