Zoomでの一時間講演の現時点でのベストプラクティスをまとめておく. 講義や学生セミナーではなく,数学のプロが数学のプロに向けて話す45分以下の講演を念頭に置いている. 講義では,iPadにApple pencilで書きながらやる電子黒板方式が,講義ペースを保ちやすく,学生もノートを取りやすく,よさそうだ. また,プロ向けの講演でも90分程度なら電子黒板方式が,準備も楽だし,聴いてる方も楽なので,よい.
適宜更新予定. 改善案があれば是非教えてください.
基本方針は,スライドを画面共有して,そこに書き込みながら説明して,チャットで質問を受けるというもの.
また,スライドの作り方を根本から変えるべきだ. 例えば,聴衆が見ているのは目の前のiPadやMacの画面であって,遠くのスクリーンではないということを意識して,スクリーン向けのスライドよりも圧倒的に字を小さくした方がよい. そして,自省を込めて言うが,普段よりも多くの聴衆が内職しながら聴いているので,一瞬気が逸れた後にストレスなく復帰できるようなスライドを意識して,説明の冗長さを気にせず大切なことは何度も何度も書いて,スライド一枚にそのとき必要な情報が入っているようにするとよい. 要するに,聴衆のワーキングメモリに負担をかけないで話すという全ての講演の基本を,Zoom講演でも必ず守るということだ.
事前の用意
- MacBookとiPad ProとApple pencil
- GoodNotes 5
- スライドのPDFファイル.書き込みながら講演することを念頭においたスライドを作る.
直前の準備
- GoodNotesにスライドのPDFファイルを読み込んでおく.たとえスライドをGoodNotesで手書きで用意したとしても,一度PDF化して,それを再度読み込むと良い.GoodNotesファイルのままでは,講演中に意図せざるところが消えて焦ることがあった.
- 机に,MacBookを奥で,iPadを手前に,並べる.
- MacBookとiPadの両方でZoomにログインする.
- MacBookはカメラも音声もオンにする.
- iPadではカメラも音声もオフにする.ログイン時に選択できる.もしもログイン時の選択に失敗したら,詳細 > オーディオの切断.
- MacBookではZoomの映像とチャットと参加者を表示する.
- iPadのGoodNotesでスライドを画面共有する.
当日の流れ
- MacBookにも画面共有のスライドが写っているので,基本はそれを見ながら話す.iPadを見ながらでは頭頂が見えるだけになる.
- 質問は随時チャットで受け付ける旨を言っておく.
- 講演はGoodNotesでスライドに書き込みながら進める.新しい用語などの強調したいところはレーザーポインタで囲みながら説明する.ペンで図を描いたりもする.色分けもするとよい.むしろ,ペンを選んだりしてる方が,黒板講演の時間感覚に近くて,聴きやすいのではないか.ノートページを挿入して追加説明をしてもよい.
- 話の区切りのときにチャットを見て,質問に答えていく.また,新たな質問も募集する.