数学書を読んでわからないのは何故か?

#勉強法

読書猿ブログの記事「本を読んで分からないのは何故か?読書の4つのつまずきと克服したとき見えるもの」を参照のこと.

  1. 定義はわかるか?
  2. 暗黙の仮定はないか?
  3. その分野の常識となっている議論はないか?
  4. タイポはないか?議論の誤りはないか?
  5. 著者の議論はもっと整理できないか?

ある用語がわからないとき,どうするか?

その用語の定義そのものを調べる.

その用語の背景を調べる.

これは何なのか,ではなくて,こんなものを何で考えるのか,が気になることもある. そういうときは,概説論文や入門書や歴史的解説をまずは読んでみる.

その用語の定義を推測する.

例えば,Gromov先生の論文に証明がなくても驚かないが,最近は定義すら見当たらないことがある. そういうときは,わからない用語をメモしておき,とりあえず読み進めて,全体の雰囲気から整合的な定義を捻り出す.

暗黙の仮定がありそうなとき

例えば,Donaldson先生の論文では,暗黙の仮定がいつのまにか導入されていることが多い. (ただし,ちゃんと読めば,論文の冒頭などに,以下ではXXを仮定する云々などと書いてあることもある.)

分野の常識的手法を知らなそうなとき

例えば,Taubes先生の論文では,全く当たり前ではない議論が自明として片付けられていることがある. そういうときは,同じ著者の論文を遡っていって,同じような手法が使われている一番最初の論文を読んでみる. また,例えば,Seiberg-Witten理論の解析は,Donaldson理論の解析から見れば赤子の手を捻るようなところも多いので,派手に省略されている論文も多い.