幾何解析に本気で取り組むことを決めたならば,最初の目標は調和形式の存在の証明を理解することにするのがよい.
調和形式の存在定理にはいくつもの証明がある. まずは何でも良いので,どれか一つの手法を,とにかく完璧に自分のものにする. ただし,楕円型評価の証明を飛ばすようでは,理解したとは到底言えない.
例えば,Warnerを読めば,普通のゲージ理論では困らない気がする. 中島先生の講義録もある. また,WellsやLawson-Michelsohnは指数定理への良い準備だろう.
調和積分論をサボらずにきちんと自分のものにできるかどうかは,その後の幾何解析が借り物になるかどうかの最初の試金石となる. ちなみに,次の試金石はCalderon-Zygmund評価だと思う.