「量子重力における11次元時空の考察」 概要: 超弦理論において, 10次元や11次元時空が重要な役割を果たす. これまで, これらの次元は超対称性の帰結と考えられてきた. 本研究では, 超対称性を用いなくても, 比較的簡単な考察から, これらの次元の特殊性が示せることを紹介する. 「不確定性関係の一般化とその応用」 概要: 量子力学では, 不確定性関係を高次の演算子(x^4,p^4など)を含んだ形に拡張することで, 無数の不等式関係を構成することが出来る. 本研究では, これらの不等式に対して, 線形計画法を用いることで, いくつもの有用な関係が得られることを示す. 特に, 2020年にHanらによって提唱された「量子力学におけるbootstrap法」と呼ばれる数値解析方法も, 不確定性関係の一般化の帰結とみなせることを示し, 不確定性関係だけからエネルギー固有値が導けることを紹介する.