名古屋大学 大学院多元数理科学研究科・理学部数理学科
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教育・就職 - 教育研究活動 - 教育研究プロジェクトについて

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ファイル更新日:2004年01月22日

教育・就職

教育研究プロジェクトについて (続き)

5. 金銅プロジェクトによるシミュレーション

テーマ
格子, 保型形式とモジュライ
背 景

このプロジェクトのひな形になったのは

楕円関数論・楕円曲線論

です. これは数学の中でも最も豊かな内容を持つ対象で, 20世紀にもこれを巡って様々の研究が行われ, 多くの話題と関係しています. 例えば

  • 数論(Fermat予想の証明)
  • 保型関数論
  • 代数幾何学(特にモジュライ理論)
  • 符号理論
  • 超幾何微分方程式
  • 数理物理学(ミラー対称性予想)
目 的

研究対象となるのは

K3曲面と呼ばれる多様体

で, これは楕円曲線の高次元(2次元)版と考えられます. これも様々な話題と関係しますがここでは話を限って, このK3曲面と

散在型有限単純群

との間に不思議な関係がある(モンスターとムーンシャイン予想)ので, それを明らかにすることを本プロジェクトの目的にします.

A君のアプローチ

舞  台
名古屋大学大学院多元数理科学研究科
登場人物
D先生:代数幾何学 K3曲面のモジュライ理論
E先生:表現論
G先生:保型関数論
X大学Y先生:散在型有限単純群 ムーンシャインを研究
A君, F君
(1) 学部4年

梅村浩著「楕円関数論」に出会う.

(2) 修士1年入学

講義, オフィスアワー, 談話会や同級生や先輩とのディスカッションで基礎を固めると同時に研究テーマを模索.

  • C先生の講義「リーマン面」を聞き楕円曲線に興味を持ち「楕円関数論」を読破.
  • 少人数クラスのアドバイザーB先生からD先生のオフィスアワーを紹介され, そこで楕円関数と有限単純群の不思議な関係「ムーンシャイン予想」を知る.
(3) 修士2年

D先生のプロジェクトに顔を出す.

  • ムーンシャイン予想について楕円関数の視点を中心に学び, その内容を修士論文にまとめる.
(4) 博士1年

D先生のプロジェクトに本格的に参加. 散在型有限単純群とK3曲面の関係を研究する.

  • X大学Y先生の集中講義やプロジェクトメンバーのE先生の講義で表現論を学び, それらをヒントに学位論文のテーマを見つける.
  • A君自身のミニプロジェクトを立て本格的に研究. RAにも採用される. 研究成果が 出始める.
(5) 博士2年

得られた結果を学会で講演するとともに, 発表論文にまとめ Math. Ann.(ドイツの数学雑誌)に投稿, 1年後に掲載される.

  • 同じプロジェクトに参加しているF君に保型関数論を教わり, それを用いた論文に着手. 別のプロジェクトのG先生との議論が役に立つ.
(6) 博士3年

卒業までに同じテーマで2〜3本の論文を書く. きちんとテーマを持つ事の重要性を実感する. これらの論文をもとに博士論文を書く. 同時にPDの公募に応募す. 3月に学位を取得し, 4月からZ大学でPDとして研究生活を送る予定.

このシミュレーションでA君が成功した二つのポイントを強調しておきます.

  • A君は前期課程でコアになる「楕円曲線」を, その多様性を含めてきちんと理解しました. この結果, A君の将来に多くの窓が開かれたのです.
  • A君はプロジェクトに参加し, その中で異なる分野の人々と積極的に交わりました. その経験が, 新しい問題の発見へとつながったのです.