Building on previous work by myself, we show how a certain construction for forcing, for a given uncountable regular cardinal kappa, a well-order of H(kappa^+) definable over H(kappa^+) by a formula without parameters can be carried out while preserving measurability of kappa, or even preserving arbitrary degrees of supercompactness of kappa. This is joint work with Sy D. Friedman.
It is a well known problem of Von Neumann whether the countable chain condition and weak distributivity of a complete Boolean algebra imply that it carries a strictly positive probability measure. It was shown recently by Balcar--Jech--Paz\'ak and Velickovic that it is consistent with ZFC, modulo the consistency of a supercompact cardinal, that every ccc weakly distributive complete Boolean algebra carries a contiuous strictly positive submeasure, i.e., is a Maharam algebra. We use some ideas of Gitik and Shelah and implications from the inner model theory to show that some large cardinal assumptions are necessary for this result.
量子論の命題は、その真偽が系の状態に依存し、系の状態はある複素ヒルベルト空間 H のベクトルで表現される。すなわち、量子論の命題は、固有値が 1、0 の何れかである自己共役作用素、 projection で表現される。H 上の projection 全体 P(H) は、range の包含関係を順序として完備オーソモジュラー束である。量子論理は完備オーソモジュラー束の構造を表現するものであり、 P(H)-valued universe V^{P(H)} における複素数は、 H に作用する正規作用素を表す。 P(H) は、 P(H) の自己準同系写像全体から成る quantale と呼ばれる完備束 Q の中に埋め込まれ、 V^{P(H)} は V^Q に埋め込まれる。本講演では、量子力学における観測の公理とされている規則を、V^Q における複素数の性質として表現する。
ある可算集合 S の部分集合の族 F が(S 上) pairwise almost disjoint であるとは,F 属す異なる集合の共通部分が常に有限となることを言う.それぞれ異なる実数に収束する有理数の上昇列からなる族は pairwise almost disjoint な集合族の典型的な例となっている(ただし,ここでは上昇列とその構成要素からなる集合を同一視している).S 上 pairwise almost disjoint な集合族 F がそれを真に含む S 上の pairwise almost disjoint な集合族を持たないとき,F は maximal almost disjoint (mad) であるという.
可算な集合族は mad ではない.連続体濃度の mad は常に存在する(そのようなものは上の収束列の例から容易に構成できる).可算濃度と連続体濃度の間の濃度の mad な可算集合族があるかどうかは集合論の公理だけからは決定できない.
一方,すべての mad な族は,集合のユニヴァースを行儀のよいやり方で(σ-centered な po による強制法で)拡大することで,mad でなくすることができる.本講演ではこのへんの事情について集合論の専門家以外の数学者むけの解説を試み,余裕があれば講演者の最近の結果についても触れたいと思う.
定常集合の概念は今日の公理的集合論においては基本的かつ必要不 可欠な道具であり、その他のさまざまな概念との関連や応用が研究 されている。 そのような中で「定常集合は何個の定常集合に分割できるか?」と いう問題は、純粋に組み合わせ論的な問題に留まらず、飽和イデア ルやジェネリック超冪との関連から広く研究されてきた。 講演では定常集合の分割問題の概論、及び $\p_\kappa \lambda$ 上の定常集合の分割問題と一般連続体仮説との関係を論じる。
We look at variations of the reflection principle for stationary subsets of [\theta]^{\aleph_0}. In particular, we compare the principle of reflection to sets of size \aleph_1 with the principle of reflection to sets of cofinality \omega_1.
In this talk, we will give open problems of bounded second order arithmetic which imply separations of classes of computational complexity.
Vitali による非可測集合の存在証明により,ルベーグ測度は,$R^n$ の 部分集合の平行移動に関して不変なまま $R^n$ のすべての部分集合に対して 拡張することはできない.
ボレル集合の射影として得られる集合(このような集合は,記述集合論では 解析集合とよばれる)はすべてルベーグ可測となることが知られているが, 例えば,ゲーデルの構成可能性公理($V=L$)を仮定すると,Vitali の 非可測集合の存在証明の構成法を $L$ での $R$ の定義可能な整列順序を 用いてなぞることで,ボレル集合の射影の補集合の射影で非可測なものが得られる.
ボレル集合から出発して射影と補集合をとる操作を繰り返し適用することで得られる 集合は射影集合と呼ばれる.射影集合の全体は,実はある意味で超限的な操作を 用いずに定義可能な集合の全体と一致することが知られている.
$V=L$ のもとでは,上記のように,射影集合のうち階層の低いもので 非可測なものの存在が証明されてしまうのであるが,集合論の他の自然な拡張で, すべての射影集合がルベーグ可測となることが導かれるようなものもいくつか 知られている.本講演ではこのような状況について,集合論の非専門家向けの サーベイを試みる.
距離化可能空間 X のストーン・チェックコンパクト化 βX は,スミルノフ コンパクト化と呼ばれる距離依存コンパクト化の集合で近似できることが 知られている [Woods, 1995].さらに,X を局所コンパクトかつ可分な空間に 限れば,ヒグソンコンパクト化と呼ばれる距離依存コンパクト化についても同様の 結果が成り立つ [Kawamura-Tomoyasu, 2001].本講演では,可算離散空間 ω の ストーン・チェックコンパクト化 βω の距離依存コンパクト化による近似の理論と, 自然数集合上の無限組合せ論との関係を論じる.(友安一夫氏・吉信康夫氏との 共同研究)
ML系の関数型言語では、多相性を無差別に許すと、型体系に 穴が空いてしまう。この問題に様々な解決法が提案されてきたが、 10年前から多相性を副作用を起こさない式に限定する方法が 一般的になった。部分型の理論をMLの多相性と組み合わせ、 多くの場合ではこの制限が緩和できることを示す。それによって、 MLの型システムの他の拡張も使いやすくなり、プログラムの 多相性が向上できる。
P問題、NP問題は、決定問題なので、答の Yes と No だけを 知ればよいが、実際には普通のアルゴリズムでは、構成的数学により、 それ以上の情報がわかってしまう。 不必要な情報が隠蔽されるようなアルゴリズムについて述べる。
Hamkins による新しい公理「Maximality Principle」、及びそれの幾つかの変種について解説を行う。
位相空間のコンパクト化のクラスの構造にまつわる新しい基数不変量について紹介する。(嘉田 勝(北見工大), 友安 一夫(都城高専) との共同研究)
We prove that $PTC(n)$ (the polynomial time closure of a nonstandard natural number $n$) cannot be a model of $U^1_2$. This implies that there exists a first order sentence of bounded arithmetic which is provable in $U^1_2$ but does not hold in $PTC(n)$.
ZF から Foundation Axiom を除いた公理系において、 Aczel は dependent choice の schema version を使って set continuous operator の最大不動点を構成した。 ここでは、dependent choice の schema version を仮定しないときの 最大不動点の構成を考える。
RMOD_p -- MOD_q -- AND_t の形の3段ブール回路の計算量の下界のお話 です.Barrington らは AND 関数が指数サイズを要するという予想を立 てまして,CDH 予想と呼ばれています.この予想がとけると,幅が5以 上の branching program size (NC1 に相当)の下界証明の部分解が得 られます.今のところ t = 1 の場合 (つまり2段の場合) を除いて, まったく解けていません.今回は,t = 2, q = 2 の場合の下界を証明し ます.実際は,2次のブール多項式を冪に持つような関数達の和で AND 関数を表現したとき,その表現サイズの下界を求めます.
Smale, Shub, Blum によって始められた実数値をパラメータに持つ 計算論に対して Degree Theory を展開し, 前回までにこの Degrees の中に無限増加列, 可算個の互いに比較不能な要素等が存在すること を述べた. 今回は, 無限減少列の存在, 特に実数の順序をそのまま この Degrees の中に埋め込めることを示す. また, 連続濃度の比較不能 な要素の存在も示す.
一見正しいと思われる実数直線についての命題で, 連続体仮設のもとでは 否定されるようなものが, 古くはポーランド学派から今日にいたるまで 度々発見されている. ここでは, Riis と竹内によって導入された, この 種の命題のひとつである Axiom R について, その無矛盾性や他の公理との 関係などを調べてみる.
<M,+,・,>,0,1>をPA(ペアノの公理)または I\Delta_0 のモデルとする時,+(和)と<(順序関係)を変えずに・(積)だけ変えることができるか?という問題を考える.不完全性定理よりそのようなことが可能なモデルが存在することは容易にわかるが,どのような場合にどの程度の変化が可能かについて考える.
内容は,最近考えたことで,量子計算の基本論理演算素子の組をどのようにとっても,角運動量の保存法則と矛盾する素子が存在するということを定量的に示すことです.このことは,モバイル量子計算機が実現不可能なことを意味するのでしょうか?
19世紀の末以降, 数学では選択公理, あるいは, この公理と同値な Zorn の補題が本質的に用いられることが多い. 学部で習う数学の範囲でも,
1. で存在を保証された基底は, 「存在してほしい」便利なものであるのに対し, 2. で存在が証明できるルベーク可測でない集合は数学を応用する立場からは「できることなら存在してほしくない」病的なものと言えるかもしれない.
--- ただし基底の存在定理も,色々な病的現象をひきおこす場合がある,という ことについて本講演で触れることになるのであるが ...
3. については, この定理が関数解析の基礎の一つとなっていることから関数解析全体が選択公理に大きく依存していることが分る.
本講演では, 主に 1. と 2. に関連した話題を中心に選択公理が数学にどの程度本質的にかかわっているのか? 選択公理を採用しないときにはどんな数学が可能になるのか? といった問題を考察してみたい. また関連するいくつかの最近の結果についても述べる.
参考文献