線型代数2017授業日誌

年寄りは後生の邪魔にならぬように、とは思うものの、 ときには小言めいたことをいう楽しみくらいは。

約束事講義ノート を道の糧に、踏み石の思いもまた新たに。

追加資料です。7月21日に使います。

ネット上の参考書など

  1. 高木先生の講義録は、 この授業との要所要所での親和性が高そうなので、復習・演習にどうぞ。
  2. 線型代数学演習Aの中に「要約」という名の教科書あり。項目の配列は数学者好みなれど、 具体的な計算の説明の丁寧さ故つまみ食いすると美味しいかも。
あふれるばかりの情報の中から、今、自分に必要とするものを探す、これも修行であるか。 探すばかりでは意味ないが。


直線と平面の幾何学(4/14)

三陸も、福島も、そして熊本も季節の歩みの鈍さよ。それでも春の風は吹き抜けるか。
今日は、バークレーの朝を思わせるような陽気も西行桜に目がさめて。

それはともかく、宿題の扱いをもう一度確認。
毎週の授業の中で、最低限の復習のための問題を1−2問指示するので、
次の週の火曜12時までに、 レポートにまとめて教養事務室横のボックスに提出すると、
それの点検結果が解答例とともに次回の授業時に返却される。
なお、これは、復習の手助けのために行うものであって、授業の成績には反映しない。

本日の内容は、空間の直線と平面について、高校のベクトルの復習のあと、
(i) ベクトル表示(パラメータ表示)、(ii) 座標表示(方程式表示)でした。
その応用として、平面と点の間の距離の公式をする予定でしたが、時間の関係で略。
3平面の位置と連立一次方程式の解の様子の関係の説明も略。

授業では触れなかったところもできるだけ読んでおいてください。造化に咎はないので。

授業後の質問に関して: 長さを使って内積を表す式 \[ (v|w) = \frac{1}{2}(|v+w|^2 - |v|^2 - |w|^2) \] が $|v|\,|w| \cos \theta$ に一致するのは余弦定理から、と説明しました。 これについて、余弦定理から分かるのは \[ \frac{1}{2}(-|v-w|^2 + |v|^2 + |w|^2) = |v|\,|w| \cos\theta \] で、これが上の式とどう結びつくのか分からない、というのが質問でした。
この2つの式が一致するというのが中線定理と呼ばれるもので、 教室ではそれも必要である旨の回答をしましたが、
次にように考えれば、中線定理なしでわかります。 余弦定理 \[ |v|\,|u| \cos\varphi = \frac{1}{2}(-|v-u|^2 + |v|^2 + |u|^2) \] (ただし、$\varphi$ はベクトル $u$ と $v$ のなす角)で、$u = -w$ とおき、 $\theta = \pi - \varphi$ に注意すれば、左辺は $-|v\,|w| \cos\theta$ となるので、 \[ |v|\,|w| \cos\theta = \frac{1}{2}(|v+w|^2 - |v|^2 - |w|^2). \]

行列とその計算(4/21)

桜は散りましたが、花曇りの空。季節の移りが1週間程度遅めでしょうか。 藤の花もまだ見ぬ山の際。

今日は行列とその計算。行列の積の由来についてはテキストを見てください。 内積型積の繰り返し配列であることがポイントです。
最後に、和の記号の正しい使い方から積の結合法則が導かれることを多少省略気味に説明しました。 これについては、証明の筋に不安があれば、2次正方行列の場合を計算で直接確かめる程度でもよいでしょう。
新しい概念を理解するのは、柔らかい頭でもなかなかできないもの、あれこれ稽古が必要です。

「何をしたらいいのでしょうか」と尋ねる前に、何をすべきかと自問。 せっかくの大学なのだから、指示待ちはもったいない。 ただ、努力が空回りしているように感じたら早めにご相談を。

行列あれこれ(4/28)

藤にハナミズキ、桑の実もちらほらと眩しく、穏やかなひんやり感にしみじみと春。

行列あれこれと題して、復習も兼ねた話題を二三。
(1) 3つ以上の行列の積を一気に定義することは、結合法則の一般形を理解する上でも重要ですが、 とりあえずの計算練習には結びつかないので、あまり取り上げられることが無いようです。 それでも、Markov 連鎖の遷移確率とか、そのうち出会う可能性が高いこともあり、ひとしきり。 とくに、正方行列の繰り返し積としての冪について、その指数法則(指数等式)を確認。
(2) 連立一次漸化式が、アフィン表示を経由して正方行列の冪で解かれること。
(3) ネットワークと隣接行列の関係、その場合の行列の冪を計算することの組合せ論的意味。

もう一つ、行列のブロック計算をする予定が、時間の関係で省略。アフィン行列の冪の対角部分が分離的に計算できる ことを説明して、連立一次漸化式と結びつけて、オチとする予定でした。

いくつか質問も出ました。今後も、気楽にお尋ねください。

今日の宿題の提出期限は、予定通り5月2日12時。

次回は1回目の試験です。とくに、例と宿題の辺りを重点的に復習しておいてください。

まとめと試験1(5/12)

落ち着きの春に薄曇りなれど気温高し。雨の予感もまた。

今日は、最初に宿題を返却(11名!、減ったなあ)、 3回分のまとめ+行列のブロック計算を少々のあと、中間アンケートなるものをして、 1回めの試験を40分ほど。

[試験の講評]
$\fbox{1}$ は易しかったようで、とくに言うことはありません。
$\fbox{2}$ も概ねできてましたが、 $\begin{pmatrix} 1\\ 2\end{pmatrix} \begin{pmatrix} a & 1 \end{pmatrix}$ ではなく $\begin{pmatrix} a & 1 \end{pmatrix}\begin{pmatrix} 1\\ 2\end{pmatrix}$ の方を計算する人がちらほら。 心当たりの方は、早めの手当を。

授業アンケートの意見欄にあったご要望についてお答えしておきます。
マイクを使って欲しい ==> 小さい教室なのでピンマイクがないのだそうです。前の席が空いてますので、 そちらに移動してください。
文字が見にくい、知らない記号が出てくる ==> その場でご指摘下さい。書き直し・説明いたします。
課題(宿題?)番号を板書して欲しい ==> 印刷したものを既に配ってありますので、そちらをご覧ください。
問の答えが欲しい ==> これは意図的に提供しておりません。ただ、オフィスアワー等でのご質問には応じます。

行列式とその計算(5/19)

初夏を思わせる陽気に桑の実の色もまた。暑くなりました。

今日は、行列式の導入とその性質、具体的な計算方法についてでした。 4次までの行列式で計算練習を。宿題もお忘れなく。

今日しなかったかった転置の説明は、次回の証明の前にでも。

6月6日の補講はありません。 その代わりに、6月9日13:00−14:30(時間注意)を特別オフィスアワーとしますので、ご利用ください。

行列式の特徴付け(5/26)

今日は、ヤスデも元気に、しとしと雨の一日。午後になって蒸すも、明日は快晴の予感。

行列式に関する理論的なところを2回に分けてします。今日は、その1回めの部分、行列式の特徴付けでした。
数字の並べ換えを表す記号、並べ換えの符号、完全展開式。
並換の符号の応用として15パズルについて少々。

転置行列は、さらに次回送り。

授業終了後に質問がいろいろ出ました。
その中で、線型性についての質問から、その確認ができていない印象を持ちましたので、ここで補っておきます。
少し記号を変えて式を再録すると \[ \det(\overrightarrow{u_1}+\overrightarrow{u_2},\overrightarrow{v}) = \det(\overrightarrow{u_1},\overrightarrow{v}) + \det(\overrightarrow{u_2},\overrightarrow{v}), \quad \det(\alpha\overrightarrow{u},\overrightarrow{v}) = \alpha\det(\overrightarrow{u},\overrightarrow{v}) \] がその内容です。 このように、線型性は和とスカラー倍に分けて書くこともできます。
分配法則と言った場合、通常は前者を指すのですが、ここでは後者が成り立つことも含めて「分配法則」と言ってます。

さて、2次行列式の定義を思い出しておきます。 \[ \det \begin{pmatrix} a & b\\ c & d \end{pmatrix} = \det(\overrightarrow{u},\overrightarrow{v}) = ad - bc. \] 当然のことながら \[ \overrightarrow{u} = \begin{pmatrix} a\\ c\end{pmatrix},\quad \overrightarrow{v} = \begin{pmatrix} b\\ d\end{pmatrix} \] であり、コンマとか括弧の類は適宜入れたり外したりします。テキストの「行列事始め」をご覧ください。
ここで $\overrightarrow{u_i}$ ($i=1,2$) とあるのは何でしょうか。
「初めて出てきた記号で説明がないから、わかりません、不親切です。」と思ってはいけません。
2次列ベクトルを2つ取ってきただけです。この先は、自分で記号を用意して表していきます。
この自分で記号を用意して書いていく、という経験が不足しているのかも知れません。
入試なんかでも、必要な記号はすべて用意されていて、あとはそれを使って計算していくだけ、というのがほとんどなので。
記号は、自由に選んで良いのですが他と干渉しないようにします。 あと、区別のしやすさとかも大事かも知れません。とくに手書きの場合。
ということで、ここは素直に、 \[ \overrightarrow{u_i} = \begin{pmatrix} a_i\\ c_i \end{pmatrix} \] と置いてみます。もちろん、他の好きな文字を使っても構いません。
あとは、行列式を具体的に計算して確かめてみるだけです。 \[ \det(\overrightarrow{u_1} + \overrightarrow{u_2},\overrightarrow{v}) = \det \begin{pmatrix} a_1 + a_2 & b\\ c_1 + c_2 & d\end{pmatrix} = (a_1+a_2)d - b(c_1+c_2) = (a_1d - bc_1) + (a_2d - bc_2) = \det(\overrightarrow{u_1},\overrightarrow{v}) + \det(\overrightarrow{u_2},\overrightarrow{v}). \] 行列式が $\overrightarrow{u}$ の成分 $a,c$ の純一次式になっていることが線型性の由来ということです。 同様に、$\overrightarrow{v}$ についての線型性は、行列式が $b,d$ の純一次式であることに他なりません。

いかがでしょうか、 こういったどうとでもしてよいことまで、一々指示するされることが良いことかどうか。
その時々の状況次第で、何とでもやりくりして行く、こなしていく姿勢こそが肝要です。
最近の AI は、そのやりくりするところも自発的(?)に行うようになっていて (machine learning)、 ますます人のする意義が問われつつあるような、 ご精進あれ。

行列式あれこれ(6/2)

梅雨前の雷雲去りて、緑映える西風に桑の実もゆすられ落ちて。

今日は、前回の復習のあと、行列式の幾何学的意味、残ってた性質の証明、そのついでに、 転置行列とその性質。

来週の火曜日の補講はありません。代わりといってはなんですが、 金曜13:00ー14:30を特別オフィスアワーとします。試験前の疑問・質問・その他、気楽にどうぞ。

学習相談(6/09)

梅雨入りした途端に梅雨明けを思わせる暑さ。桜桃を供えて合掌。桶狭間もまた。

試験前の学習相談日ということで、2名の来訪者。 前々回の宿題(問5.2)の解答で途中からマイナス符号が抜けていました。
関数についての質問もでました。手っ取り早くは、関数=式と思ってさほど困らないとは思いますが、 関数=「変数に値を対応させる規則」が正しい意味です。別に式で書けている必要はありませんが、 行列式の特徴付けででてきたベクトルを変数とする関数は、関係するベクトルの成分の式なので、 素朴な意味でも問題ありません。まあ、習うより慣れろです。
それでも、関数というよりもその一般化である写像の考え方は、知っておかれたら良いとは思います。

ことしは、今のところ静かでしょうか。何か指導が入ったか、あるいは忖度の結果でしょうか。 個人的には、大学祭は授業のない時期にやるべきと思います。様々なレベルで知恵を失って来ているような。 口角泡を飛ばし目を三角にして迫る輩の胡散臭さ。

まとめと試験2(6/16)

朝のひんやり感も徐々に失せつつ今日も続く晴天。早すぎたか梅雨入り発表。

今日は、行列式の復習と試験2でした。

伝えるのが遅くなりましたが、21日のオフィスアワーは不在のためありません。

[試験の講評] 過去問と宿題のおかげか良くできていたような。 ただし、計算方法の説明がない答案の多さよ。過去問を見たなら、講評に書いてあることも参考にしなくては。 ただ答えが出ればいいというのは、とても危険なことです。 そろそろ説明の問題を入れるべきか。成否の理由を問う問題とか。
$\fbox{1}$ 単純計算なので答えが合っていないとアウトです。 帰納的な計算をひたすらくり返すという答案が今年も多数派であったか。 掃き出し計算をしていた人は半分もいなかったような。
$\fbox{2}$ (i) の説明の不十分なものがかなりの数になりました。 また、体積なのに絶対値をつけない人が多すぎました。

連立一次方程式(6/23)

今日も梅雨の晴れ間、暑くなりました。エアコン使用について、6月中でも夏日には使って良いのだとか。 ということで、早速。

今日から後半戦、気分も新たに連立一次方程式です。
いわゆる消去法(加減法?)を系統立てたものが、掃き出し法です。 最初は、何だこんなものと思われるかも知れませんが(実際、昔、そう思いました)、これが強力極まりなく、 行列代数の多くの結果がこれから導かれます。できるだけ多くの具体例で経験を積んでください。 頭だけでわかった気になってはいけません。
キーワードは、行基本操作、階段行列、階数、解のパラメータ表示、一次結合一次独立。宿題もどうぞ。
具体的な手順に不安があったら、例えば このビデオでも見てください。他にも沢山似たようなものが見つかります。

試験の点数について:
各大問ごとに2点満点で、基本は、all or nothing すなわち、2点または0点。 そうは言っても、迷う場合もあるわけで、その場合は1点となります。
そうすると、2点といってもほぼ正解から完璧な答案まで幅をもつことになります。 2点の答案のうち、とくに良く書けているものには、1点追加して3点がついています。
最終成績は、この追加点がある場合はそれも含めて合計12点以上が合格です。
また、以上のような事情から、2点の多い人は、それだけ成績のかさ上げが行われているため、 合格者の成績区分(S,A,B,C)においては、追加点の存在も加味して判定することになります。 ご注意ください。

以上、面倒なので、去年の日誌からそのまま。本当は、基底まで説明する予定でしたが、 これについては次回ということで。

テキストの例7.5に間違いがありました(何を書いていたんだろう)。 $v_1$ と $v_2$ を次のように訂正します。 \[ \begin{pmatrix} 0 & 1 & 0 & * & 0 & *\\ 0 & 0 & 1 & * & 0 & *\\ 0 & 0 & 0 & 0 & 1 & * \end{pmatrix}, \quad {v_1} = \begin{pmatrix} 1\\ *\\ *\\ 0\\ *\\ 0 \end{pmatrix},\quad {v_2} = \begin{pmatrix} 0\\ *\\ *\\ 1\\ *\\ 0 \end{pmatrix},\quad {v_3} = \begin{pmatrix} 0\\ *\\ *\\ 0\\ *\\ 1 \end{pmatrix}. \]

掃き出し定理(6/30)

ようやく梅雨らしくなったかと思えば、こんどは土砂降り。上に立つ人も自然も暴力的ならん。

基底の概念を解空間に限定するのは美しくないのですが、部分空間は後期にやるということで。 今日は、解空間の基底についてを掃き出し定理としてまとめてみました。 通常は、敢えて定理とは呼ばないものですが、大事であることに変わりありません。 最後に、一般の連立一次方程式の解法を行列の階段化と結びつけて。 雨の一日、しっかり稽古してください。

前回の宿題で、4行2列とあるのは、2行4列の誤りでした。お詫びして訂正します。

来週は早いもので、3回めの試験、油断禁物、手を動かせ、説明することも忘れずに。

まとめと試験3(7/7)

あじさいを愛でる間もなく、台風のあとの夏の予行演習であるか。
福岡・大分県境の豪雨未だ収束せざるに。記録的というよりは記録外の災害が毎年どこかで忘れる否覚える暇ももなく、 自治体をこえた災害救助のための組織・仕組みの必要、いや増す程に。

今日もわざとらしい復習のあとに試験3でした。 恒例の授業アンケートもしました。

去年の今頃、ダッカでテロがあったことも、その後の繰り返す事件に無感覚になりつつあることに何とも。

[試験の講評]
$\fbox{1}$ 何がパラメータで何について解くのかがはっきりしない答案が目立ちました。 関連して、階段行列は下から解くという原則を無視する人も多かったように思います。 「解ける変数」をうまく選べばそれでも答えはでるので、敢えてそのことで減点はしませんでしたが、 悩ましいところ。
$\fbox{2}$ 直前の復習が効いたか、直線、とだけ答える人が後絶たず。 どうして直線なのか、どういう直線なのかについてまで書いて欲しかった。こちらは、減点対象としました。 また、空間直線の表示方法を忘れていて、平面の直線と混乱している人も結構いました。 ということで、きちんと分かった人がいる一方であやふやな状態の人もまた相当数いて、 得点率6割ちょっと、といったところでしょうか。 期末試験でもう一度問うことにしたいと思います。

逆行列と基底(7/14)

セミも元気に鳴きだした青空に油断すると、黒雲墨を翻して雷鳴の警告か、天の声。

今日は、いよいよ「行列代数の基本定理」です。 行列式と「掃き出し定理」が、逆行列を接点に一つにまとまります。 これは、即座に次回の固有ベクトル(追加資料があります、このページの上の方を見て下さい)へと繋がります。

世間の教科書には、この辺の関係が曖昧なものも結構あったりして玉石混交といったところ。

固有値と固有ベクトル(7/21)

百日紅も華やいで酷暑の予感。最後は蝉のごとく、突然かつ完璧な姿でとはならぬのだろう、残念ながら。

前回の基本定理を受けて、固有値・固有ベクトルと固有値方程式。 以前は、固有方程式と言ってたようですが、より基本的な固有ベクトルの式を固有方程式とも呼ぶようで、 それに合わせた固有値方程式=行列式方程式です。優先順位は、 固有ベクトル方程式>固有値方程式ですが、とりあえず一通り。
例として、伝言ゲームの確率を取り上げました。是非復習しておいてください。

次回は、期末試験。教室は、S2Yだそうです。どこだろう。80分で4題。
うち2題は、前回の試験以降でやった内容から。残り2題は前回の試験までの範囲から。 説明の問題も入れたいがどうなるやら。

試験4(7/28)

まだ消えぬ梅雨前線に向かって台風の吹くことには、曇るほどの蒸し暑さ。 人の心のうつろい易さにモンスターのため息もまた。

今日は最後の試験4でした。

[試験の講評]
$\fbox{1}$ 行列式の定義を書かない(書けない?)人が結構いました。 その意味も、単に符号付き平行6面体の体積、といった不十分なものが目立ちました。 書けるのに書かないのはもったいない。
$\fbox{2}$ 連立一次方程式の問題は、前回の試験の類題ということで、たいていの人はできてましたが、 相変わらず平面の直線と空間の直線の区別がつかない人もちらほら。
$\fbox{3}$ 長方形型の行列の積をまず計算します。その結果得られた3次行列の行列式を計算します。 これも多くの人ができてましたが、長方形型の行列式(?)の計算を始める人もちらほら。
$\fbox{4}$ あれだけ強調しておいたのですが、そもそも固有値・固有ベクトルが何であるか、 理解していない人がそれなりにいました。

最終成績がいつもの場所に掲示してあります。合否の基準は、公表通りです。 疑問がある場合は、メールで8月3日までにお問い合わせください。
今回結果を出せなかった人も再試験を受けられる可能性がありますので、 あきらめずに勉強を続けてください。引き続き、オフィスアワー等で相談に応じます。

それでは、田毎の月に、はかなき夢を。

そもそも「定義」という言葉の意味を知らないのかもと思い至り、 高校の教科書を見ると、定義域は出てきても定義という言葉は何故か避けられているような。 愚民化政策極まれリ、ということなのかどうか。
集合と論理についての基本的な用語と考え方は、 文系・理系問わず知っておくことが合理社会には必須と思うものの、教育について偉そうなことを宣う輩に限って、 その行動は真逆であるという不条理。
理系(数学科?)向けではありますが、和久井先生の 現代数学の基礎知識 に詳しい説明があります。

戻り梅雨に弄ばれながらも夏過ぎぬ。 成績の統計データ:S(11人)、A(31人)、B(14人)、C(9人)、F(1人)、欠(2人)。


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