ネット上の参考書など
授業の説明が合わないようであれば、この2つの該当箇所を当たるとよい。 大抵の隙間は自分で考えた方が早いはずであるが。 それでもわからない場合は、オフィスアワー(水曜12:30−13:30、理A349)などで個別相談。今学期は、講義ノートの続きの中から行列に関する部分を重点的に取り扱う。 その結果、飛び石渡りのようになるので、知恵を働かせて迷子にならぬよう。 初回は、固有値方程式の復習を枕に、複素数の復習と補足が中心となる。 予習は、講義ノート付録の該当箇所と 複素解析入門 の最初の辺りを。
今日は雨の一日、気温はさほど下がらず、暑さが戻る予感も。
本日のメニューは、
固有値・固有ベクトルの復習から、固有値方程式を経由して、複素数の必要性を前段として、
複素数の復習から方程式の解がある理由まで。
来週は、その続きとしての因数分解定理から。
宿題のルールを確認しておきます。
締切は、次の週の火曜12:00。
日頃の勉強のきっかけにするためのもので、提出の有無は成績に関係しません。
今日の宿題については、進度予定表を見て下さい。
秋雨前線が漂い、気温も下がって、今日は勉強日和。
本日のメニュー:
固有多項式、行列の対角化、対角化の実例。
逆行列とか基底とか、もちろん行列式も、前期の内容の復習が必要。
できれば言われなくても、と言いたいところだが、言われてもしない人があと絶たず。
もったいない、という自覚もなく。
ここは手続きを経験するだけなので、2つか3つを具体的にすれば終いなのだが、どうか。
授業の後で、次のような趣旨の(と思われる)質問を受けました。「去年の授業の過去問は使えるか?」
上の方でも書きましたが、去年の授業は、テキストにほぼ沿った形でしたのですが、
それには「集合と写像については他の授業で既に知っている」という前提がありました。
今年はそういった予備知識が期待できないようですし、
仮に期待できても、特殊な人以外、
抽象ベクトルに慣れるのは意外と時間がかかるということを痛感したということもあり、
今期は徹底して具体的な行列を取り扱うこととしました。
ということで、実際に授業で触れるのは、テキスト後半の半分程度ということになります。
その部分のみを抜き書きしたような
原先生の講義ノートが参考になるでしょう。
長雨もはや二週間を越え、異常の様相なれど人は気にもせず、謙虚さは死語となりしか。
復習の後、固有ベクトルの一次独立性。二次行列の場合を仔細に。バネの連成振動。
時間の関係で、解空間の復習は略。
来週は試験。45分二問。
ジェンダーフリーの施設とか、せっかくの検査が徒になるとか、上も下も肝心なところが高転びの ケセラセラ。破滅への一里塚は雨後の筍の如く。
久しぶりの晴天続きに、雲も穏やかな縞模様。
今日は、復習+補足(対角化可能条件と固有空間の次元)の後に 試験1でした。
手順をこなす問題でしたので、基本的に誰もが満点と思いきや、 明らかに稽古不足の人もそれなりに目立ちました。指示待ちの人でしょうか。 丁寧に指示してあげるということは敢えていたしません。 そういったことをいつまでも続けていては、その人のためにならないということで。
[講評]:
問題1は、比較的良く出来ていたように思いますが、それでも平均 1.5 点。
固有ベクトルを並べた行列が逆を持つ理由を述べた人は僅かに二人。
復習のときにも複素数の必要性を注意したのですが、「固有値は実数でなければならない」
と信じている人がいて、びっくり。質問して欲しかったなあ。
一方、問題2の方は、(i) すらできていない人が結構な数に。
文字が入っただけでこうも計算が怪しくなるものか、と思う程の乱れよう。
固有ベクトルが行列になっている珍解答もちらほら。
(ii) までできていた人は三分の一程度。(iii) に至っては、数えるほどの少なさ。
総じて、決め打ちの問題は出来ても、混ざったものになると、ということなのでしょう。
後期の授業は、当然ながら前期の内容が前提となります。その部分も含めて復習し、内容の理解に努めます。 決して楽ではありません。安直に誤魔化せば後に何も残らないだけでなく、心得違いの態度はマイナスにすらなります。
薄冷えの朝も昼には遍く日の光に汗ばむほど、今年は松茸を見ぬうちに早秋も過ぎつつ。
本日のメニュー:
内積、正規直交基底、直交行列、回転と折り返し行列で直交行列に慣れる
主にテキスト16節の内容でした。他に、p.58, p.64 の辺り。
2次元の直交行列というのは、一般論の中では単なる例に過ぎないのですが、
極めて大事な具体例であって、理論と雖もそういった具体的なことで支えられていることもまた事実。宿題の方も、是非。
今日から、テキストの順序ではなく、あちこち飛びますのでご注意を。
大体の方針を書いておくと、対称行列の直交対角化をできるだけ単刀直入に解説していきます。
なぜにこうしたかというと、テキストの順序で進めるためには、集合と写像についての知識が必要となり、
それを説明していると、肝心の具体的なところ、とくに二次形式の周辺までたどり着けなくなるため。
ただ、時間を気にしないのであれば、テキストの順序にしたがって読み進めるのが、急がば回れ、
最良の方法ではあるので、それが実行できる人、世界を相手に勝負したい人は是非、挑戦してみてください。
試験の結果を掲示しておきました。答案は返しませんが、見たい方は、オフィスアワーのときにでもお訪ねください。
そろそろ木枯らしの見え隠れするも、日中は穏やかに日の光。
本日のメニュー:直交座標変換、二次形式、標準形、ただし2行2列、2変数の場合
でした。今日は、事情により短縮授業。
参考までに、昔の資料である
行列代数これだけを引いておきます。中間アンケートも実施しました。
テキストの参照箇所も挙げておきます。拾い読みで良いので補っておいてください。
§2 直線と平面の幾何学(前期の初めに少し触れたのですが、座標系の扱いをもう一度復習)。
転置行列の性質 p.18, p.29
§16 平面と空間の一次式変換。
おまけの Quiz: 今日の内容をまとめると、実対称行列を回転行列で対角化した、ということです。
ここで質問:折り返し行列で対角化できるか?
そんなことどうでもいい、と考えることを放棄してはいけません。ヒントは、「極めて易しい問題」です。
縁の山も白く輝き、ひだまりのぬくもりも懐かしく。
本日のメニュー:
複素内積、エルミート共役、エルミート行列の固有値、実対称行列の直交対角化、ガウス積分
でした。風邪気味でだるかったせいもあって、だらだらもたもたと。
その所為で、固有ベクトルの直交性の説明が出来ませんでした。これについては、試験前の復習のときにでも補足しよう。
テキストの関連箇所:命題14.16、命題14.21と後の問、命題15.5 の辺り。
来週水曜日の補講時間はありません、というかオフィスアワーです。 金曜日の試験に備えて、勉強+質問にどうぞ。
紅葉も末の穏やかな一日、風にそよぐ陽の光。
本日は、復習のあとに 2回めの試験。
[試験の講評] $\fbox{1}$ は、手順確認の問題ということもあり概ね出来てました。
ただ、単位ベクトル化した固有ベクトルを並べたものが互いに直交すること(大事な点です)に触れた人は数えるほど。
$\fbox{2}$ で $\theta$ を正しく求められた人は2/3足らずでしょうか。
不注意と思われる間違いについては、それ以降の手順が合っていればおまけしておきました。
結果として、高めの平均点にはなりましたが、こういう図形との関係はもっと稽古して欲しい所。
去年の人たちは微分作用素に四苦八苦していたころなので、
やはり形式から入ることのありがたさではあるが、形式だけで終わって何も残らぬ恐れもまたこれあり。
授業は半ばを過ぎたのですが、この辺りで厳しい状況のひともちらほら。 是非オフィスアワーで面談を、と呼びかけても無視するのだろうなあ、あとは自己責任。
今週のオフィスアワーは都合によりありません。
冷え冷えとした曇り空から一滴また一滴、冬への一里塚。
76年前は冬晴れの一日だったという。
天気図さえも機密扱いになる世の末、再び来ぬと誰が言い切れる、忖度の果てに。
本日のメニュー
ユニタリー行列、エルミート行列の対角化、例として世界中で最も使われているエルミート行列=パウリ行列
でした。テキストの参照ページは p.64--p.68 の辺り、その所々。
単なる行列代数の形式に見えて、これが物理現象の根本を記述するという脅威。
フランスの伝統に、力学を数学の科目として教えるというのがありますが、 線型代数に量子力学(の一部)を含めるというのを試行しつつ、古人への思いも新たに。
都合により12月13日のオフィスアワーはありません。20日をご利用ください。
鈴鹿の峰々も白く輝いて雪だより。 飢えと寒さに無頓着な輩とはともに語り難く、 しかしそれすらも穏やかに思える人の狂気もまた。
本日のメニュー:直交分解、基底から正規直交基底へ、幾何学的直感から代数的直感へ
でした。テキストだと13節の辺り。3次元空間の直交座標の具体的な設定方法も経験しました。
今回は実ベクトル空間で考えましたが、複素内積にしても代数的な仕組みは大体同じ。
まったくもって不可思議この上ないのですが、
これが現実の量子現象と深く結びついております。それ以外にも内積の幾何学は、データサイエンスの基礎でもあり、
これを機会に深く入り込むこと、お薦めしておきます。
来週は3回めの試験です。範囲は短いですが、説明の問題が出るやも知れず、概念の整理を自身の言葉でして おかれますよう。
カーンと響くような冬枯れの晴天続き。御岳の山も蒼みをおびて。
今日は、宿題の解説+復習の後に、
3回めの試験。
試験の内容が年を追うごとに軽くなって、忸怩たる思い。
説明の書かぬ人、書けぬ人を炙りだすが如く。
1月12日の授業はありませんが、13:00−14:30を特別オフィスアワーとします。
愚痴も含めてのよろず相談。とくにこれまでの成績が思わしくない人は是非。
授業再開は1月19日なので、ほぼ1ヶ月の中断、おかしいだろうこれは。
というのは置いといて、あと2回の講義内容は、「一次変換の小窓」と題して、
不変部分空間とその使い方を予定。テキストで言えば、行列の対角化の節の後半部分。
成績の掲示を依頼しておきました。
[試験の講評]
$\fbox{1}$
ベクトルの正規化に難がある人がかなりいました。
とくに複素数ベクトルの大きさが計算できない人。複素数なのに $\sqrt{ z^2 + w^2}$ のように計算する人もいました。
正しくは $\sqrt{|z|^2 + |w|^2}$ です。
$\fbox{2}$ こちらは予想していたことですが、説明の出来ない人が結構な数に。
参考までに悪い解答例をコメント付きで列挙しておきます。
(i-1) $R^n$ の範囲内の空間を表す。[$R^n$ の部分集合というのに等しく、まったく不十分です。]
(i-2) $n$ 次元の線形空間内の空間。[これも部分集合以上のことは書いていない、というよりも説明になっていません。]
(i-3) 一つの平面となる。[これは詩か何かの一節でしょうか。]
(i-4) $R^n$ の中に含まれる空間で、空間ベクトルを持つもの。[空間が空間ベクトルを持つ?]
(i-5) 一平面上に存在するベクトルの集合。[平面内の円とかも部分空間になってしまいます。]
(i-6) $R^n$ を構成する各成分ベクトルのこと。[ベクトルの成分という言い方はありますが、成分ベクトルとは?]
(i-7) 原点を通る直線、平面、空間。[これは、3次元空間の場合の部分空間の意味ですね。定義は?]
(i-8) $n$ 次元の実数空間。[説明になっていない。なぞなぞのヒントか何か?]
(ii-1) $V$ の要素である単位ベクトルが直交している。[定義の形になってません。]
(ii-2) 大きさが $1$ であり、互いに直交している。[これも同様。]
(ii-3) 部分空間がなす平面に対して直角な1本の線分が正規直交基底。[直交分解の例とごっちゃになっている?]
(ii-4) $V$ 上に存在するベクトル $v$ を正規直交化して表される $V^\perp$ 上のベクトル $v^\perp$ である。
[これはシュミットの直交化の説明でしょうか。]
(ii-5) $V$ に直交し、ベクトル同士の内積が $0$ となる単位ベクトルの組。[正規直交系の説明でしょうか。]
(ii-6) $(e_j|e_k) = \delta_{j,k}$ となるベクトルの集まり。[上の説明を式で書いただけで、
$V$ のすべてのベクトルが一次結合で表せるという性質が抜け落ちてます。]
どちらも期末試験で再度問うことになりそうです。ただし、2回めは容赦なく。
相談に来て欲しい人が確実に数名はいたのですが、待ちぼうけというか、案の定というか。
開店休業でした。
世は反転授業なるもの喧(かまびす)しいが、
この質問の少なさをどうにかしたほうが良いのかも知れません。反転であるかどうかは、どうでも良いことです。
肝心のところに目が行かず、形式倒れの変更への自己満足。
突然ですが、国を守る最大の武器は口うるさい国民であろうと思っているのですが、
こちらも広い意味での教育問題であるような。
寒さの合間のほっと一息、穏やかに晴れ渡るぬくもりのありがたさ。
本日のメニュー:復習と補足と題して、今日はその1。
行列の対角化(ただし内積は使わない)のまとめと2点マルコフ連鎖(chain)の計算
でした。3次直交行列の標準形も説明する予定でしたが、時間の都合で略。
テキストの終わりの辺りに書いてあるので、気になる人はそちらで。
今日は、授業アンケートもしました。表の質問のなさを如何せん。
24日のオフィスアワーは、不在のため、ありません。
冷蔵庫の中のような一日、米原はすっかり雪国、地吹雪模様。膨らみ始めたロウバイや如何に。
本日のメニュー:
今日は、内積を中心としたまとめでした。
内積とエルミート共役、エルミート行列、ユニタリー行列を2次元の場合に詳しく調べました。
ユニタリー行列による対角化は、結果の復習だけでしたが、2次の場合をもう一度確認しておいてください。
内積で大事なもうひとつの内容が直交分解です。Gram-Schmidt の直交化と併せて復習しておいてください。
次回、4回めの試験でも説明の問題がでます。キーワードは多くはないので、予め稽古しておかれるとよいでしょう。
概念の復習にもなりますし。
ということで、つまるところ、 人を呪わばアナフィラキシー、であるなあ。合掌。
日は差せども寒さ去らず、春立つとは名ばかりのインフルエンザがここかしこに。
最終試験をしました。
今回は、これまでの試験の再試験的な内容と事前解説したものを一題で出血大サービスのつもりが、
まったくの当て外れで、どうにも点に結びつけ難い答案が目につきました。
最終結果の掲示をいつものところに依頼しておきましたので、ご確認ください。
なお、この期に及んで正当な理由もなく「何とかして欲しい」と訴えるのは、
不正行為にも匹敵する決してやってはいけないことであると、ここに再確認しておきます。
合格点に達しなかった人も再試験の可能性がありますので、引き続き精進してください。
成績の統計データ:S(5), A(17), B(11), C(26), F(9)