線型代数学II
期末試験の解答と解説
1.線型写像かどうかの判定:定義(和とスカラー倍に関して閉じていること)をみたすかどうか?
(1)線型写像になる
(2)線型写像にならないので、反例(具体例)をあげる
※線型写像は「一次式」で表現される!
2.行列Aの固有値と固有ベクトルの定義:(下線部がチェックポイント)
Ap=λpをみたす、零ベクトルでない n次 列ベクトルpを固有ベクトルといい、スカラーλを固有値という.
※基本的な定義であるから、きちんと復習しておこう!
3.行列Aの固有多項式:(λ-1)(λ-2)(λ-2)
※上式=0は「固有方程式」であるが、今回はそれも正解とした.
行列Aの固有値は、1,2.
固有値1に対する固有ベクトルは、ベクトル(1,1,-1)を縦ベクトルに転置したものを[1,1,-1]と書くことにすると
[a,a,-a] (ただしaは零でないスカラー)
また、その固有空間は ベクトル[1,1,-1]で張られる1次元線型空間.
固有値2に対する固有ベクトルは,2つのベクトル[1,0,-1]
と[0,1,-1]の線型結合で書かれるベクトル、つまり
[b.0.-b]+[0,c,-c] (ただし、(b,c,)は(0,0)でないスカラーの組).
またその固有空間は2つのベクトル[1,0,-1],[0,1,-1]で張られる2次元線型空間.
※固有空間がきちんと求まっていないものが多くあった.
4.Bのn乗(B^n)は、Bを対角化した行列(C)のn乗(C^n)を用いる:
行列Bを対角化すると、対角成分が2,2,1の対角行列Cが得られる.
対角化の際に用いた正則行列をPとおくと、(B^n)P=P(C^n)
より求まる.
※計算が複雑なわりに正解率が高かった.