(2009/10/16改訂版) 皆様、 基研研究会「高次元Black Hole研究最前線」を12月下旬に行います。 参加登録は研究会ホームページ http://www-tap.scphys.kyoto-u.ac.jp/hdbh09/index.html からお願い致します。締め切り日は 11月23日 です。数名の一般講演も受け付けていますが、時間的な制約から お断りする場合もあります。その場合はどうかご容赦ください。 旅費の補助については世話人にお任せください。皆様の参加をお 待ちしております。 世話人一同 ----------------------------------------------------------------- 基研研究会 高次元Black Hole研究最前線 日時: 2009年12月24日〜26日 場所: 京都大学基礎物理学研究所・パナソニックホール 目的: 超弦理論における開弦の端点の集合であるところのD-braneの存在から、 物質が高次元時空の中のbrane(〜薄膜)に局在しているというBraneworld模型 が1998年に提唱された。Braneworld模型の特筆すべき理論的な洞察の一つ として、量子重力が効くプランクスケールと弱スケールの間の17桁に及ぶ エネルギー差を高次元時空で解消する(高次元時空のプランクスケールが弱 スケールと同程度になる)ことができることがあげられる。弱スケールの エネルギーで高次元のプランクスケールの物理が検証できる可能性がある のである。この可能性とも関連するが、Braneworld模型ではLHC(Large Hadron Collider)のような弱スケールの物理を検証するための地上実験で高次元 Black Holeの生成の可能性が指摘されている。この指摘以降、高次元Black Hole研究 そのものが注目を浴びることとなった。しかし、そもそも超弦理論は 高次元時空で定式化されており、しかもD-braneを表わす超重力理論の解は Black braneと呼ばれるある種の高次元Black Hole時空である。これらの観点 から系統的な高次元Black Holeの基礎研究が望まれ今日に至っている。 これまでの研究から、4次元時空と比べ高次元時空では多様なBlack Hole の形態が可能であることがわかってきた。例えば、リング状のものや、 HoleとRingを足したBlack Saturnのような解も5次元時空に限るが続々と発見され てきた。このような発見ラッシュの一方で解の分類という観点の一つから、 解を唯一に特徴づけるパラメーター(4次元と異なりホライズンの形や位置を 指定する量)の特定の研究も進んでいる。また、高次元の数値相対論研究成果 も出始めている。しかし、いまだ高次元Black Hole研究は発展途上にあり、 解の安定性、6次元以上のBlack Hole厳密解の構成、唯一性定理、漸近条件な どの問題が山積している。 そこで本研究会では、これまでの研究の総括と今後の方向性を招待講演者 の講演を機軸に探りたい。これまで以上に日本がこの分野をリードしていくべく、 今後の戦略等の議論も行う。本研究会では高次元Black Holeの基礎研究に焦点 を当てているが、そもそもの大きな動機であるところの現実の検証との接点も 探ってきたい。 世話人: 石橋明浩(KEK)、石原秀樹(大阪市立大学)、井田大輔(学習院大学)、小玉英雄(KEK)、 佐々木節(基研)、杉本茂樹(IPMU)、柴田大(基研)、白水徹也(京大)、早田次郎(京大)、 高柳匡(IPMU)、田中貴浩(基研)、中尾憲一(大阪市立大学)、細道和夫(基研)、前田恵一(早大) 暫定プログラム: 12/24 13:30-14:30 泉圭介(東大IPMU) 厳密解の系統的構成 14:30-15:30 一般講演x2? 16:00-17:00 重森正樹(Amsterdam) 17:00-18:00 吉野裕高(Alberta) 高次元数値相対論 12/25 09:00-10:00 村田佳樹(京大) 安定性について 10:30-11:30 井田大輔(学習院) Black Holeの形と唯一性定理 13:30-14:30 一般講演x2? 14:30-15:30 飯塚則裕(CERN) Matrix Models for the Black Hole Information Paradox 16:00-17:00 橋本幸士(理研) 素粒子論研究者が望む高次元Black Hole研究 17:00-18:00 浅井祥仁(東大) LHCにおけるBlack Hole 18:30- 懇親会@基研 12/26 09:00-10:00 一般講演x2? 10:00-11:00 田中貴浩(基研) Brane上に局在したBlack hole 10:00-11:30 一般講演x1? 13:30-14:30 森田健(Tata Institute) ゲージ/重力対応と高次元BHのダイナミクス 14:30-15:30 前田恵一(早大) 総括と今後の展望 参加登録: 研究会に参加希望される方は http://www-tap.scphys.kyoto-u.ac.jp/cgi-bin/hdbh09/regist.cgi?lang=jp にて登録を2009年11月23日までにお済ませください。懇親会は基研で行います。 料金は4000円前後を予定しています。 旅費補助: 世話人にお任せください。 問い合わせ先: 白水徹也 京都大学大学院理学研究科物理学宇宙物理学専攻 tel:075-753-3882 e-mail:shiromizu_AT_tap.scphys.kyoto-u.ac.jp