グリフィス天文台
UCLAにはOISSと呼ばれる国際留学生のサポートを 行う施設があります。日本で言えば留学生センターと言った所でしょうか。 ここではビザの申請などの事務処理から、英会話のクラスなどのような イベントも常時開かれています。(私もこのセンターが開いている英会話クラス に行っています。)そのOISSが1月20日にツアーを企画するというメール を受け取りました。それによると、LAのダウンタウンの北側の山にある グリフィス天文台へのバスツアーが格安のわずか15ドルの費用で行われる ということでした。何のためらいもなくツアーに応募しました。
当日は快晴で参加者は60人程度。ほとんどは国際留学の人々で人種、 国籍は様々でした。 このツアーの目玉の一つが現地天文台までの移動手段に、スクールバスを 使うということです。(実際にのったバスは右写真) パンフレットには We will depart in several school buses (just like old times!)という 具合に書いてありましたが、どちらかというとスクールバスに乗るのは初体験 という人の方が多かったように思えます。どっちにしても、アメリカの 象徴とも言うべきスクールバスに乗れるとあって、たいへん楽しみでした。 昼の1時45分に集合。点呼が済んで、バスに乗り込み出発したのが2時過ぎ。 バスの中は子供用に設計されているということもあってか、やや狭め。走ると がたがたゆれる、いかにもという感じの安いバスでしたが、この揺れとともに アメリカ人の多くが学校通学というイメージを固めているのかと思うと、 これが本当のアメリカ体験だなぁという気がしてきました。

黄色いスクールバスはアメリカ人の原風景

グリフィス天文台

グリフィス天文台はハリウッドの北側の山の上にあります。そこは グリフィスパークという公園になっていて、他に動物園などの施設もあります。 ただ、そこへ行くにはほとんど公共交通の便は期待できず、公園の施設内もかなり 広いために車でないと遊びには行けません。そういう意味でも今回のバスツアー は価値がありました。(園内で駐車場を探すだけでも一苦労ですから。) さて、 ここグリフィス天文台には勿論望遠鏡があります。しかし、このスモッグの 濃密に漂うLAで天体観測をするなどといったことは行われておらず、現在は 中にあるプラネタリウムと科学博物館がメインになっています。科学博物館 は無料で入れます。中に入ると、いきなり フーコー の振り子があります。これは地球の自転を証明するものとして有名です。 他に太陽系や多くの星座などについての展示があります。(といっても本格的な 博物館ではないので、プラネタリウムの待ち時間つぶし程度の施設です。) この天文台の中のプラネタリウムショーとレーザーショーを見るのが今回の 目的です。(入場料が併せて11ドルですから、バスとオヤツが4ドルと いう計算になります。)
出発時間が遅れたのと、道路の渋滞で予定のプラネタリウムショーには間に合わず、 結局次のショーまで待つことになりました。その間は天文台の回りを散歩しました。 ここは結構標高の高いところにあるので、LAの街が眼下に一望できます。今回は ラッキーなことに、空気も比較的澄んでいたので左写真のようによく見えました。 真中の小さく見えるビル群がダウンタウンです。) この場所から、LAの最も 有名なランドマークである ハリウッドサイン が見えますが、肉眼でみると大きく見えますが写真でみると小さくしか写らず 残念でした。よく日本ではこのサインが大きく映し出されていますが、あれは やはり望遠レンズでもないと取れないと思います。さて、一時間ほどしてプラネ タリウムでショーが始まりました。このプラネタリウム、中がかなり広くて ゆったりと見ることが出来ました。内容は金星の話で、なかなか楽しかったです。 なかでも解説をしてくれるオジさんのトークがなかなか面白くて、なんだか トークショーを聞いているような気分になりました。日本ではあれくらい喋り のうまい人がプラネタリウムの解説をすることはないでしょう。

グリフィスパークからの眺め。この日は比較的空気が澄んでいたので、きれいでした。

LAの夜景。デジカメの写真ではほとんど伝えることは不可能ですが、たいへん美しいものでした。

プラネタリウムのショーの後、30分ほどして、同じところで今度は レーザーショーがありました。同じプラネタリウムの半円球のスクリーン にレーザーを当てて、音楽に合わせて行われるパフォーマンスです。今回の 出し物はThe Beatlesで、ビートルズの音楽に合わせてレーザービームが 右へ左へ、あるいは絵になったり、文字になったりしながら踊ります。 一時間程の公演でしたがたいへん満足しました。ただ、ほぼ2時間続けて 上を眺め続けていたので首が多少凝りましたが。何と言うかアメリカは エンターテイメントの技術がたいへん発達しているように思います。 プラネタリウムやレーザーショーという技術としては珍腐になっているもので も喋りや演出でいつまでも楽しめるようにするということには、たいへん長じて いるように思います。ディズニーランドがいつまでもリピータの絶えない施設 であるのも納得できます。この二つの公演が終わって、外へ出て見るともう 辺りは真っ暗でした。今度は真下に美しいLAの夜景が広がっていました。 この夜景は日本のそれとはちがって、通り通りを碁盤のように整然と 埋め尽くす光の列が美しく感じます。 しばらく夜景を楽しんだ後、 私達は再びスクールバスに乗り込んで大学まで戻りました。行きに渋滞に 巻き込まれたのを覚えていてかどうかは知りませんが、帰りはフリーウェイで 帰って行きました。だいたい、スクールバスがフリーウェイを走行するように 出来ているのかという問題があり、たいへん不安でしたが、そんな不安を 無視するかのように轟音と激しい振動をたてながらバスはフリーウェイを 走りました。うーん、恐い。

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