LACMA (Los Angeles County Musem of Art )
ロスアンゼルスカウンティ美術館はMid Wilshireと呼ばれるエリアにあります。 Westwoodからはメトロバスの20番または720番に乗って、Fairfaxのバス停で降 りると、すぐ近くに有ります。このエリアにはこの美術館の他、ミニチュア博物館 ジョージペイジ博物館、自動車博物館などのミュージアムが集中していて、ミュー ジアムエリアという呼び名で親しまれています。私達は午前中に日本総領事館に 行かなければならない用事があったので、その帰りにこの美術館に立ち寄ることに しました。(ダウンタウンとWestwoodの真中に、このエリアはあります)。幸い (意図的?)なことに訪れたのは月に一度の美術館無料開放の日で、平日であるにも かかわらず多くの人が美術館を訪れていました。
入口は何箇所かりますが、私達は向かって左端にあるゲートから入りました。 (上の写真)本来は正面入口からはいるのですが今日は無料なので全ての入口が開放 されていました。この入口から入るとそこは中庭のようになっていて、ロダンの 彫刻群が所狭しと並べられています。右の写真がそのロダン広場の全景です。 この通り道を眺めながら軽い昼食をとりました。この美術館はゲッティのように 年代別に美術館があるのではなくて、地域別に建物が決まっています。品揃えも なかなかたいしたもので、アジア(中国、韓国など) 中近東、ヨーロッパなどの 世界中の芸術美術品がほとんど見られます。全部ゆっくりみてまわると半日は かかるでしょう。ここに来ると世界の文明の様子を全てパラレルに見る事ができ ますので教育的な価値も十分だと思います。個人的には中国の陶三彩や韓国の高麗 青磁などは見る価値がありました。
この美術館は特に日本の美術品蒐集に力を入れているようで、遠心館 (英語名ではPauley Pavillion)とよばれる日本美術専門の建物を持ってい ます。(左写真) 建物の作りは和洋風で窓には障子が建物の中には小さな 川などが作ってあり、日本的情緒の西洋的表現というものを見る事が できます。実はこの月には、あのインテルの会長が個人所蔵している浮世絵の 特別展示が行われていました。100年以上の年月を経てもなお鮮やかな 色合いを残す広重や歌麿の浮世絵にはたいへん驚きました。実物の浮世絵を これだけ間近に見る経験がいままでなかったので、貴重な経験をさせてもらい ました。
常設展示も結構充実しています。古くは平安時代の仏像からあります。江戸時代 の大和絵のコレクションが充実していました。また、ここの目玉の一つはネツケ (江戸時代の古民具で、印籠や矢立などのアイテムを帯に巻き付けるために紐の 先につけたもの。象牙でできていて、その彫りの精密さが芸術的である) です。 かなり精密な彫りを施した根つけが数多く見られます。アメリカでアンティークの お店に行くとネツケが結構な値段で売られているのを目にしますが。日本人の 日常生活品が海外では芸術品として扱われているというわけです。勿論今は象牙の 輸入などが禁止されていて、生産は行われていませんので、値段が高くなるのも 無理はないでしょう。これらの展示を見ているだけでも時間はあっと言う間に過ぎ てしまいました。遠心館を後にして外に出て見ると庭に桜の木があって、満開でした。 暖かいLAの事で、日本よりは一ヵ月早い桜ですが、遠く離れたアメリカで日本を 感じる一日でした。

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