Lie 環と微分方程式(2004年度前期)
「リー環と微分方程式」という表題の講義を行います。
対象: 対象は4年生程度(いわゆる level two)を考えていますが、 予備知識は微分積分と線形代数だけなので、 学部低学年の学生でも受講可能だと思われます。 大学院生の出席も歓迎します。 なお、数理学科・多元数理科学研究科の公式の講義ではないので、 単位はつきません。
講義計画: 全部で4〜5回程度を考えています。内容の項目は次のようなものです。 (1) 行列と微分 (2) sl
2
関係式 (3) 調和振動子 (4) リー環とその表現 (5) 群への持ち上げ (6) 超幾何微分方程式
原則火曜日午後1コマとしますが、種々のセミナーと 時間が重なる場合は移動したり休みにしたりする予定です。
初回: 初回は4月13日火曜日3限(13:00-14:30)、 場所は当日に空いている部屋を確保することにして、 私の研究室\footnote{理学部1号館5階504号室} 前に掲示します。 2回目以降の予定は、 ここにも提示する予定です。 人が集まらなければ止めます(^_^)
4/13.(13:00-14:30, Room 555) (0) 2次正方行列、h,e
+
, e
-
を定義して、 関係式を書く。Lie 環の定義は述べないが、 感じを説明する。 (1) H=xd+1/2, X=i x^2/2, Y=i d^2/2 の説明。作用素は 慣れていないと思うので、sl
2
関係式の 導出で慣れる。 (2) Q=-d^2/2+x^2/2 の対角化へ。 手始めに、A=i(e
-
-e
+
) の対角化を通じて、固有値、固有ベクトルの説明。 L
2
条件とその意味の説明。 (3) 基底状態にあたるもの e
-x^2/2
が 固有値1/2の固有関数になること、そのx 倍、 その次、と行って、次回へ。 次回の課題。スペクトルがこのような構造をしているのはなぜか? 基底状態にあたるものの係数多項式の具体形は?
4/20. (13:00-14:30, Room 555) 前回の補足から(1) Lie 環の準同型、2つの実現の有用性。 (2) 調和振動子Qの対称性、正値性。 (3) L
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(0,1) のFourier 級数展開。 (4) 調和振動子の固有関数、完全性、Schwartz 空間。 (5) creation/annihilation a
+
, a の導入とQ の 表示、対角化、Hermite 多項式、3項漸化式や微分方程式。 次回:(5) の漸化式、微分方程式のLie 環的導出。 Fourier 変換。
4/23(Fri). (16:30--18:00, Room 555) (1) 3項漸化式、微分方程式の導出。 内積と直交性。 (2) Fourier 変換。 Schwartz 空間を用いる。 (3) 調和振動子とFourier 変換の関係。 exp で書くところまで。
4/30(Fri). (16:30--18:00, Room 555, 未確定) Lie 群とLie 環の対応。 接空間の計算。 one parameter subgroupと計算例. ユニタリ性と歪エルミート性。 2重被覆。 Fourier 変換の連続群の中での意味付け。
5/11(Tue) (16:30--18:00) (Room 555) 5/7 に集まって下さった方、ごめんなさい。 また、集中講義と時間が重なって申し訳ない。 (0) 部分表現、既約表現。 (1) 多変数化にあうように1変数の構成を復習。 (2) 調和多項式。最高ウエイト表現。 (3) 調和多項式と不変式、Laplacianによる分解。 O(n), sl
2
の既約表現のテンソル積になることまでを 言及。 できなかったこと: 双対性。 Laplacian の基本解。 不定値。
超幾何はまた別のシリーズで、ということになりそう。 この講義は、5/14 の週でいったん終わり。 (集中講義などで長く期間が空くため。) なお、再開するとしても、必ずしも今回の続きでなく、 新たなトピックでおこなう予定。
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