ランダムウォークの統計力学


ランダムウォークやブラウン運動は理論物理/化学の領域で高分子の 数学模型として用いられることがある。特に多数の高分子が相互作用に よって引き付けあう様子、或は溶媒中の不純物が高分子の形状に与える 影響は興味深い。 不思議なことにこうした現象は統計物理の他の問題(濡れ転移、結晶の成長、 浸透理論での最速通過、...)と類似していて、背後には 共通の数学的構造が潜んでいると期待される。 筆者達の目標はこうした 数学的構造をランダムウォークやブラウン運動 に基づいた模型を用いて描き出すことである。 この分野で筆者達が得た主な成果は以下の通りである。