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講演内容アブストラクト
1.幾何学の応用を考える
−離散幾何学から結晶構造へ−
 内藤 久資


   結晶構造の記述は幾何学の応用として古くから知られている。 一方、近年、フラーレン・カーボンナノチューブに代表される新しい炭素構造が数多く発見されている。
グラフ1   グラフ2
   ここでは、結晶構造の幾何学的な記述を概観した後、離散解析幾何学の視点から、フラーレンなどの炭素構造を考えてみたい。
2.高協働学習や問題作り活動とそのアセスメント
−楽しみを見出し自ら学ぶ子どもの育成−
 田中 紀子

   日本の子どもたちは、PISA やTIMSS によると、成績は世界的に見て高水準であるが、興味関心は低く、将来、理科・数学を使った仕事に着きたいと考える子どもが少ない。約6年に渡ってSSH(スーパーサイエンスハイスクール)事業に関わり、生徒研究発表会の場で生徒が自らの研究成果を他校生徒や教員・研究者に発表する姿や、SSH 活動で協働で学ぶ中から独創的な問題や解法が生み出されるのを見てきた。この協働的学びの形態を通常授業に取り入れ、基礎基本の定着とともに数学の楽しみを生徒自ら見出し、将来にわたって学ぶ子どもを育成したい。
   問題作り活動は、各自作成してきた問題を、3,4人のグループで練り上げ、ポスターに完成させ、他者へプレゼンテーションする約2 時間の取り組みである。生徒の作る問題は、工夫された題目や文脈の面白さと絵や図によって構成される。そして、ポスターは発表後に投票により“見える”形で互いに評価される。この活動のアセスメントは、ルーブリック評価、生徒同士による評価、アンケート調査によって構成される。協働的な学習を楽しむためには、学びの場の心地よさも大切である。問題作り活動を誘導する授業の工夫も含め、ご紹介できればと考えている。