講演内容アブストラクト | |
1.変数分離 落合 啓之 空間や関数のような考察の対象物が対称性を持っている場合、対称性によって「割り算」する操作が変数分離である。例えば、平面で、回転対称性あるいは共変性を持つ対象を、極座標 (x, y) = (r cos t, r sin t) で再表示することはそういった例である。 ここでは、図形的な見方、群論的な背景、微分方程式の変数分離と、幾何・代数・解析を20分ずつ話すことにしたい。 |
2.数学は言葉 新井 紀子 数学は、人類が数千年かけて開発してきた人工言語という側面を持っています。純粋な数学語は現在、数学の論文の記述や専門書の記述などに使われています。算数や数学の教科書は、「日本語まじり」の数学語で記述されています。数学語には話し言葉はありません。書き言葉専用の言語です。そして、この言語は現在世界中で科学の共通言語として使われています。 もし、数学語が数学者の間だけで使われている言葉なら、そんなものは全員が勉強する必要はないかもしれません。ところが、困ったことに、数学語は数学や科学だけで使われている言葉ではないのです。論理的と呼ばれているありとあらゆる分野で、数学語が共通語として使われているのです。 今回は、数学の「内容」を離れて、言葉の面から数学の特徴を探ってみたいと思います。 |