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講演内容アブストラクト
1.特異点の幾何学
 伊藤 由佳理


 代数幾何学で研究対象になる多様体には、一般に特異点と呼ばれる点がある。
 実際の研究では、特異点のない多様体の方がいろいろと扱いやすいこともあり、 特異点をなくす操作(特異点解消)も研究されている。
 今回の講演では、特異点やその解消に注目し、その幾何学的な面白さについて触れるとともに、他の数学との関わりについてもお話したい。
2.OECD-PISA調査にみる数学的プロセスの評価
 清水 美憲


 OECDが2000年から3年毎に実施してきた国際的な学力評価プログラム(Programme for International Student Assessment,略称PISA)は,2006年までの第1サイクルの調査が終了し,今年12月4日にはその結果が公表される予定です。また,現在2009年からの第2サイクルの調査が準備され,世界60カ国以上の参加が見込まれています。
 今回は,このOECD-PISA調査における「数学的リテラシー」の評価について,評価の枠組みの基本的な考え方を検討します。この枠組みは,現実事象に関する問題を数学の舞台に載せて考える「数学化」というプロセスを根底において,評価問題における数学的内容(「包括的アイディア」),その問題が埋め込まれている状況や文脈,そして問題の解決過程に用いられる力を構成する「コンピテンシー」から考えられています。今回は特に,3つ目の「コンピテンシー」の意味を,これまでに用いられてきた調査問題を概観しながら検討し,そのことを通して数学的プロセスの評価方法を考えます。