Date: Tue Oct 22 03:40:46 GMT 2013
From: Iwao Shinsuke
Subject: (再送)連続講演のお知らせ
皆さま
(複数のMLに投稿しております。重複して受信された方は申し訳ありません。)

以下のセミナーの詳細が決まりましたので、もう一度ご案内申し上げます。
皆さまのご参加をお待ちしております。

セミナーURL : https://sites.google.com/site/seminaratkomaba/home

岩尾慎介
青山学院理工
iwao at gem.aoyama.ac.jp

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連続講演のお知らせ

題:量子トポロジー入門
講師:鈴木咲衣(九州大学)
日時:10月31日(木)10:30〜12;30, 14:30〜17:00
   11月1日(金)10:30〜12;30, 14:30〜17:00
場所;名古屋大学多元数理科学研究科A428号室

目的:2014年1月6日(火)〜1月8日(木)に東京大学数理科学研究科で葉広和夫氏による連続講演「量子トポロジー」(https://sites.google.com/site/seminaratkomaba/home)があります。そのうちボトム・タングルの圏,3次元ハンドル体の圏,
クラスパーの部分に関して低次元トポロジーの専門家でない人向けに丁寧に説明していただけます。

レジメ:葉廣先生のご講演の前座.すべて導入から行い,前提知識は仮定しない.

1日目:有限型不変量とクラスパー

String linkの集合をある同値関係で割ると群になり,そこから次数付きリー環が得られる.トポロジカルな集合に群やリー環の構造が現れる様は興味深く,有限型不変量はおよそこれらの構造を調べる道具だと見ることもできる.またこの見方は3次元多様体の有限型不変量に対しても有効である.これらの構造を調べるために次の2つの方法を比較する.

(1) 純ブレイド群のcommutator calculusを用いる.
(2) braided圏の中のホップ代数から来るbraided commutator calculusを用いる.

(2) の手法をデーン手術を用いた枠組みで体系化したのがクラスパー理論である.

1日目は(1)と(2)の比較とクラスパーを用いる利点を理解する事を目標とする.

具体的には次の内容を話す.
Introduction to knot theory and quantum topology, Finite type
invariant,  Pure braids and P_k moves, Claspers and C_k moves, Groups
and Lie algebras of string links, Category Cob and a Hopf algebra in
Cob.

2日目:圏Bとその応用

量子トポロジーを圏論的に解釈することには利点がある.
(1) 生成元と関係式を理解することで組み合わせ的な手法で研究することができる.
実際に,量子不変量(量子g不変量,普遍量子g不変量,Kontsevich積分,WRT不変量,LMO不変量)が関手として得られ,それを用いて整数性や普遍性が導かれる.
(2) 数理物理との相性が良い.
Chern-Simons経路積分の性質を圏論的に定式化したのがAtiyahによるTQFTである.
(3) 圏論を用いて言語が構築されることで,新しいアイデアが得られる.
言語が豊かになれば概念と発想が豊かになる.

圏Bは、誤解を恐れずに言うと, 底タングルの圏であり,曲面のspecial Lagrangian
cobordismの圏であり,クラスパーの圏でもある.それらは量子不変量や写像類群,量子基本群の研究など量子トポロジーで広く用いられる.

2日目は圏Bがそれらの領域にどのように現れてくるのか,量子トポロジーとの関係,その応用について述べる.

具体的には次の内容を話す.
Category B, Functorial universal g invariant, Functorial LMO invariant
and Johnson homomorphism, Quantum fundamental groups and quantum
representation variety

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世話人:土屋昭博(IPMU)