Date: Thu Dec 09 05:22:44 GMT 2010
From: TAKAGI, Yuki
Subject: 【数学連携研究センター】 第 26 回数学連携サロン(兼電子研学術講演会)開催案内
各  位

北海道大学・数学連携研究センターでは 戸田幹人准教授を囲んで
第26回数学連携サロン(兼電子研学術講演会)を下記のとおり
開催いたします。
多数の皆様のご参加をお待ちしております。

**本案内を複数お受け取りの方におかれましては重複の案内ご容赦ください。

      記

演 題: タンパク質の分子動力学に対する時系列解析と集団運動
講演者: 戸田幹人 准教授 (奈良女子大学理学部)
日 時: 平成 22年 12月16日(木) 16時00分〜17:00
場 所: 北海道大学 電子科学研究所(北キャンパス総合研究棟5号館) 1階会議室
      ※ いつもと会場が異なりますのでご注意ください。

要 旨:

タンパク質の動的な挙動には、タンパク質の持つ階層的な構造 (2次構造や3次構
造)を反映した集団運動が存在することが期待できる。しかし生体分子の集団運
動の動力学的な記述には、従来考えられてこなかった様々な 問題点が存在す
る。たとえば、

(1)集団運動を構成するミクロ自由度は時々刻々変動していくが、そのような 自
由度をどのように抽出するのか、

(2)集団運動とそれ以外の自由度の「境界」をどのように設定するのか、

(3)集団運動の動力学は、それ以外の自由度からの相互作用や「雑音」の影響 下
にあるが、そのような「雑音」の統計的性質をブラウン運動でモデル化できるのか、

(4)集団運動の動力学における連関を、どのように抽出できるのか、

など、現象の「モデル化」の可能性に関する論点が多々存在する。特に、分子動
力学データの時系列から、集団運動の動力学的を抽出する課題には、ランダム力
学系に基づくモデル化に係わる新しい問題がある。

従来、時系列から動力学を抽出するには、Takens の埋め込み定理が指針となっ
てきた。その基本的な発想は、狭い意味での「決定論性」をデータから読み取ろ
うという点にある。しかし、我々が興味のある「集 団運動の動力学」は、全系
を粗視化した結果であって周囲の影響下にあり、狭い意味での「決定論的因果
性」に依拠した埋め込み定理の枠外にある 問題である。

そのような問題に対して、どのような数理的なアプローチが可能なのか、皆さん
と議論したい。


第26回数学連携サロンウェブページ
http://www.math.sci.hokudai.ac.jp/center/field/seminar-index/rcimseminar_26.php


以 上

___________________________
高木  由紀(内:3373)
北海道大学 電子科学研究所
計算論的生命科学分野秘書室
数学連携研究センター

外線:011-706-3373
ファックス:011-706-2413

※ 電話・ファックス番号が変更になりました