ランダム行列とは、乱数の要素をもつ行列です。20世紀のはじめ に数理統計学者によって考案され、第二次大戦後に原子核物理学 に導入されました。現在では、解析数論、組合せ論、 素粒子物理学、固体物理学、生態学、 金融工学など、分野横断的に広く応用されており、その深い構造と 意味が次々に明らかになっています。
私は、基礎理論および様々な応用の立場から多角的にランダム行列 を調べています。関連する研究テーマは、以下の通りです。
量子系のエネルギー準位統計は、対応する古典動力学の性質を反映する ことが知られています。特に、対応する古典系がカオス系の場合には、 ランダム行列理論によって予言される普遍的な準位相関が観測されます。 普遍性の原因の解明に向け、以下のような研究テーマを取り上げています。
アンチドット超格子は、半導体基板上に作成された規則的 あるいは不規則なポテンシャル配列です。格子間隔は、 1マイクロメートル程度以下にすることができ、量子力学と 古典力学の有効範囲の境界領域にある系が実現されます。 関連する研究テーマは、以下の通りです。
単一セルアンチドット系の Java アプレット(「磁場」 をかけることができます。)