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1st lecture: Integrable systems theory for homological geometers. (a survey of integrable systems, from the point of view of D-modules) 2nd lecture: Abstract quantum cohomology as an integrable system. (quantum cohomology and homological geometry from the point of view of integrable systems) |
Projective Hypersurfaces |
本講演では、複素射影空間 P^n 内の k 次超曲面 M_{N}^{k} の量子コホモロジ
ー環を例にとり、超幾何微分方程式から出発して量子コホモロジー環の構造定
数を決定するミラー予想に基づく計算の一般化について述べる。
主結果としては、Givental の一般超幾何微分方程式 特徴としては、上に挙げた微分方程式を解くのではなく、量子コホモロジー環の関係式を非可換 化したものだと見なし、微分オペレータのなす代数を用いた考察をすることが挙 げられる。本講演では、この考察に基づく具体的な計算例もできるだけ紹介す るつもりである。 この結果の応用としては、数え上げ代数幾何学における有理曲線の数え上 げという問題に対する非常に簡明な解答が得られるのであるが、その側面につ いての話も取り上げる。 なお、上に述べたアルゴリズムは超曲面がファノ多様体であるか、カラビ-ヤ ウ多様体であるか、一般型の多様体であるかによって違いがあるのであるが、 前半においてファノ多様体の場合を扱い、後半で残りの場合を扱う。 講演で話す内容の予定 (i) 量子コホモロジー環の定義 (ii) 構造定数の代数幾何学的な導出方法 (iii) Gauss-Manin 系を用いた構造定数の決定 (iv) カラビ-ヤウ超曲面とミラー変換 (v) 一般型の超曲面の場合への拡張 (vi) 有理曲線の数え上げ問題とGromov-Witten 不変量 pdf版 |
Mirror Symmetry |
幾何学は、与えられたクラスの空間の与えられた種類の変換で不変な性質を研究する学問である. 例えば微分位相幾何では、微分可能多様体の微分同相写像で不変な性質を研究し、 双有理幾何では、代数多様体の双有理変換で不変な性質を研究する. また、あるクラスの空間が様々な幾何に共通の対象となることがあるが、 同じ対象を扱っている時でもその対象に対する見方(あるいは着目している性質)は どの幾何を考えているかで大きく異なる. 例えば、滑らかな複素代数多様体は微分位相幾何の対象にも双有理幾何の対象にもなるが、 微分同相だが双有理同値でない代数多様体は無数にある (例えば種数が同じだが複素構造の違う Riemann面など). 一方、Betti数は位相不変量であるが、双有理不変ではない(従って、双有理同値であっても 必ずしも微分同相とは限らない). 今回の講演では、空間を三角圏(もしくはA_∞圏)と思って、 三角圏としての同値(あるいはホモトピー同値)で不変な性質を研究するという 比較的新しい視点について解説する. この見方が弦理論を中心とする物理に動機づけられた 数学の最近の進歩に対する正しい言葉(あるいは枠組み)を与えるというのが期待である. 念頭に置くのはKontsevichによるホモロジー的ミラー予想である: 古典的な意味での空間から三角圏を作る方法が、 複素幾何学的な方法とシンプレクティック幾何学的な方法の二通りあって、 ある空間から一方の方法で作った三角圏と、 そのミラーと呼ばれる全く別の空間から他方の方法で作った三角圏が同値になる. 空間を代数多様体(あるいはシンプレクティック多様体)と思うことと、 三角圏と思うことの関係は、空間を代数多様体だと思うことと 位相空間だと思うことの関係に少し似ている. つまり、代数多様体としては違う空間が位相空間としては同相だったり、 代数多様体から来ない位相空間があったりするように、 異なる代数多様体から同値な三角圏が出来たり、代数多様体から来ない三角圏があったりする. それに関連して時折耳にするスローガンに、代数多様体から来ない三角圏は 「非可換幾何」に由来しているというものがある. ただ、一般の三角圏というのは、一般の位相空間同様捕らえ所のないものなので、その中から いいクラスのものを取り出すことが必要であろう. さて、上のように空間の概念を拡張したとして、その上の幾何学とは何を指すのだろうか? ミラー対称性が示唆する一つの解答としては、種々のモジュライ問題やHodge理論がある. つまり、三角圏(あるいはA_∞圏)が与えられると、その圏の対象の変形や 圏自身の変形を考察することができる. さらに、圏のHochschildコホモロジーや巡回コホモロジーを考えることによって、 Hodge理論の類似(あるいは拡張)が得られると考えられている. もう少しだけ詳しく説明しよう. 代数多様体の連接層の導来圏の場合を考える. この圏はとあるA_∞代数(実際には次数付き微分代数)で 統制されており、その代数の上の加群が連接層(の導来圏の対象)に 対応する.そして、多様体自身のモジュライも、連接層のモジュライも、 Maurer-Cartan方程式と呼ばれる方程式で支配されており、 問題のA_∞代数の言葉だけで記述できる. それらのモジュライ空間の局所理論は小平-Spencer理論で記述され、接空間はある種の コホモロジーになっている. つまり、これらのモジュライ空間はコホモロジー群の非線型化である. さらに、圏の対象のモジュライ空間は連結ではなく、Grothendieck群における像 (例えば曲線上のベクトル束の階数と次数)のような数値的な量によって 無限個の連結成分に分かれるが、それらを個別に考えるのではなく、 全てを同時に考えるのが重要である. つまり、三角圏として空間を一つ与えると、全ての対象のモジュライ空間という、 連結成分が無限個あって、しかも次元が有界でないような別の空間が与えられたことになる. しかも、元の空間自身は点層のモジュライ空間として大きなモジュライ空間の一つの連結成分になっている. (ただし、圏のどの対象を点層だと思うかの選択はcanonicalではなく、 多様体の正準束が自明に近いほど任意性が大きくなる.) 無限個の連結成分を同時に考える必要のある典型的な例としては、 第2Chern数に関して母関数をとるSeiberg-Witten理論(Nekrasov予想)がある. Hodge理論については、詳しくは述べないがホモロジー的ミラー対称性と 古典的なミラー対称性(周期とGromov-Witten不変量の関係)の関係を議論するのに重要であり、 Barannikovらによって研究されているが、まだ発展途上にある. 上に述べたようなことを意識しつつ、A_∞圏の定義、変形理論との関わり、A_∞圏の導来圏、 さらに、余裕があれば具体例として関係つき箙の表現から出来るA_∞圏と、 その代数幾何や表現論との関わりについて話したい. pdf版 |
and Quantum cohomology |
Gromov-Witten不変量および量子コホモロジーについて簡単な紹介を行う。 まず定義を説明したのち、それらの持つ様々な性質、特に量子コホモロジー に入る D 加群の構造について説明する。 さらに時間があれば、Coates とGivental の理論や講演者の最近の研究につ いても話したい。 |
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ルール(一例) |
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