表現空間が , となる2つの系 をまとめて一つの系とみるとき,これを 合成系といい,その表現空間は,テンソル積空間 である. もし, 二つの系が一度も過去に相互作用 したことがなければ,その合成系の状態は, と書ける.ここで は各々 , の上の密度行列である. しかし,二つの系が相互作用したことがあれば, 一般には合成系の状態はこの様には書けない.
今,系 と系 に各々独立に 測定 と を行ったとする. このとき,これらから得られる測定値の組 の同時分布は,次の様に計算される. すなわち, 系 の 上の状態に測定 に施したときに測定値 が得られる 確率を を用いて計算すると,それが求めるものになる.
一般には, の上のPOVMは 必ずしも という形には書けない. そういうものを実現するには, 単に独立に二つの系を測定するのではなく, 両者の相互作用を利用するなどの工夫が必要である.
推定では 個の同一の状態 にある系の合成系を考える. このとき, 合成系 Hilbert 空間は となり, 状態の密度行列は となる.
2つのテンソル積状態
の量子相対エントロピー,量子類似度, Fidelity については
以下の関係式が成り立つ.