タイトル: インフレーション宇宙の初期特異点について アブストラクト: 現在明らかになっている宇宙最古の姿はインフレーション宇宙である。本講演では、インフレーション宇宙が過去延々と続いていた場合の時空構造を解析し、このような宇宙が初期特異点を持ちうることを議論する。この特異点は、曲率不変量(インフレーションのエネルギースケール)が有限であっても生じる特異点であり、従来見落とされていたものである。一方で、曲率不変量が有限のため、この特異点の存在が、ただちにインフレーション模型の破綻を導くかは明らかではない。これを明らかにするため、特異点を通過する閉じた弦を解析し、特異点が弦の振動モードを無限に励起させることを見る。 参考:arXiv:1803.07085, arXiv:2105.05642, arXiv:2105.12339