題目:ブラックレンズとその性質 アブスト: Hawkingのトポロジー定理より、4次元漸近平坦なブラックホールのトポロジーは球面だけに限られ、Kerr解がこのようなブラックホールを記述する唯一の真空解であることが知られている。一方で、5次元に一般化されたトポロジー定理によると、ブラックホールのトポロジーは、球面だけではなく、リングやレンズ空間も許される。これまでに、5次元漸近平坦なブラックホールの真空解として、トポロジーが球面のブラックホール解やリング形状のブッラクリング解は発見されてきたが、レンズ空間のブラックレンズ解に関しては、多くの研究者がその解の構成を試みたにもかかわらずうまくいかなかった。ところが、2014年と2016年に状況が大きく変わり、ブラックレンズを記述する解が、超対称解のクラスの中で発見されたのである。本講演では、5次元最小超重力理論における超対称ブラックレンズ解を足がかりにして5次元アインシュタイン理論におけるブラックレンズの真空解を構成し、解の性質についても紹介する。