Title:
Aspects of locally non-geometric branes in string theory

Abstract:
局所的非幾何学的ブレーン(locally non-geometric brane)とは、弦の巻き付きモードにフーリエ共役な量（winding座標）への依存性を有するブレーンである。弦理論の低エネルギー有効理論である超重力理論では、局所的な幾何学は運動量にフーリエ共役な座標で測られるため、winding座標に依存する幾何学は「局所的非幾何学」と呼ばれる。Winding座標は超重力理論では扱うことができないため、これまで局所的非幾何学的ブレーンはあまり調べられていなかった。
本講演では、局所的非幾何学的ブレーンの例をいくつか紹介し、その性質について議論する。近年、winding座標を扱える理論としてDouble Field Theory (DFT)が開発された。DFTを用いると、局所的非幾何学的ブレーンは「幾何学的」に扱うことができる。DFTにおける局所的非幾何学的ブレーンの揺らぎゼロモードを調べることによって、これらのブレーンの世界体積有効理論を構築する。また、これらのブレーンが既存の超重力解に対しての補正の形で書けることを示し、この補正が弦の世界面インスタントン効果であることの定性的な議論を与える。