講演者:近藤慶一(千葉大学) タイトル:QCDとモノポール --- 閉じ込めの観点から --- アブストラクト: Wilsonの判定基準に基づくクォーク閉じ込めを実現すると考えられる双対超伝導描像の観点から,マグネティック・モノポールが必要であ る。QCDにおけるマグネティック・モノポール(以下モノポールと略す)の現状をまとめる。 (1) Wilson loop operatorはQCDにおけるモノポールを検出できるプローブとしての役割を果たす[2]。 (2) そのようなモノポールを取り出すことのできる新しい変数を用いたQCDの定式化を与えることができる[3]。 (3) 新しいQCDの定式化は格子ゲージ理論に移植できて,モノポールの数値シミュレーションが可能になる[4][5]。 (4) カラーゲージ群SU(3)の場合に閉じ込めに効くのは,従来考えられてきたアーベリアン射影に基づくアーベリアン・モノポールとは異 なり,U(2)の非アーベリアン・モノポールであることが導かれる[6][7]。 この可能性は,最初に,近藤・平[1]で指摘されたが,最近の我々の一連の研究[2-7]で確認された。 References [1] K.-I. Kondo and Y. Taira, Prog. Theor. Phys. 104 (2000) 1189--1265. [2] K.-I. Kondo, Phys. Rev. D77, 085029 (2008). [3] K.-I. Kondo, T. Shinohara and T. Murakami, Prog. Theor. Phys. 120, 1--50 (2008). [4] K.-I. Kondo, A. Shibata, T. Shinohara, T. Murakami, S. Kato, and S. Ito, Phys. Lett. B669, 107--118 (2008). [5] A. Shibata, K.-I. Kondo and T. Shinohra, Phys. Lett. B691, 91--98 (2010). [6] K.-I. Kondo, A. Shibata, T. Shinohara and S. Kato, Phys. Rev. D83, 114016 (2011). [7] A. Shibata, K.-I. Kondo, S. Kato and T. Shinohara, Phys. Rev. D87, 054011 (2013).