最近の宇宙論的観測から, 宇宙定数が正であること, すなわち 真空のエネルギーはゼロでないという証拠が得られている。 そこで, そのような宇宙定数がゼロでない時空における ブラックホールについて一般的に考え, 次の定理を得た。 「宇宙定数が正で, 物質の4元エネルギー流束が時間的となるような 時空において, 全臍的な時間一定超曲面における見かけの地平面の 直径には上限が存在する。」 この定理は地平面上の適当な曲線の第2変分を考えれば示すことができる。 ここでは一般的な状況設定を説明した上で定理の証明を行なう。