講演者:藤森 俊明 (国立台湾大学) タイトル 「BPS Vortices in Supersymmetric Gauge Theories」 アブストラクト 良く知られているようにU(1)ゲージ対称性が自発的に破れた相(超伝導相)において磁場はマイスナー効果にために自由に広がることができずボーテックス(渦糸)と呼ばれる量子化された磁束を持ったトポロジカルソリトンとして存在する。超伝導体は結合定数によってtype-I, type-II型に分かれ、それぞれにおいて複数ボーテックス間の相互作用は引力および斥力であるが、その境目である臨界結合定数の場合(静的な)相互作用は完全にキャンセルする。それらがいわゆるBPSボーテックス解であり、超対称理論においては超対称性を部分的に保つ性質の良いオブジェクトである。BPSボーテックス間には相互作用が無く、それぞれが独立な「位置」の自由度(集団座標)を持っているため、そのモジュライ空間(静的な解全体の集合)はそれぞれのボーテックスの位置によってパラメトライズされる空間となる。 一方、このようなボーテックス解はnon-Abelian型のゲージ対称性が自発的に破れた相においてもよく調べられている。特にカラー・フレイバー対角的対称性がボーテックスによって破られている場合、ボーテックス上に局在した内部自由度(orientational moduli)が存在し、モジュライ空間はU(1)ゲージ理論の場合と比較してより豊かな構造を持っている。今回の発表では、ボーテックスのモジュライ空間を記述するための方法である”moduli matrix”と”half-ADHM”と呼ばれる2つの方法についてレビューを行う。 %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%