2009年11月7日(土)〜 11月8日(日)
名古屋大学
多元数理科学研究科 理1号館 3階 309号室
[迂回路マップ]
この研究集会は
大幸財団から援助を受けています。
一方, SDYM方程式のもう一つの重要な側面として,
KdV方程式に代表される低次元可積分方程式との深い関連性があります.
(多くの低次元可積分方程式はSDYM方程式からリダクションにより
得られることが知られています.
この文脈では, 有限作用といった境界条件は除かれるため,
ADHM構成法ではなくツイスター理論による取り扱いが主流となります.)
低次元可積分系の理解には佐藤理論という美しい理論が知られており,
この記述をそのままSDYM方程式に適用する試みが一時期盛んに行われましたが,
うまくいかなかったようです. 主な理由は佐藤理論の要であるタウ関数に
相当するものがSDYM方程式に見出せなかったからです. 佐藤理論の親玉である
KP方程式もSDYM方程式から導出できていません.
とは言え, SDYM方程式には低次元可積分方程式の伝統的記述が
ぴったりはまる部分もあり,ダルブー変換,ベックルント変換,
双線形化などについてはある程度議論がなされてきました.
また,ごく最近, 非可換化の研究方向で,
Quasideterminantという「非可換行列式」を用いた
新しい定式化が見出されましたが,
これは低次元と高次元の共通点を顕著に示しており,
何か光明が差しているように思えます.
SDYM方程式の「佐藤理論的定式化」が完成すれば,
有限作用条件をはずした場合のSDYMの解空間の構造や対称性が
明らかになるだけでなく, ツイスター理論と佐藤理論の接点についても
理解が深まるものと考えられます. これにより, 多くの新しい知見や
目覚ましい応用がもたらされるかもしれません.
このような趣旨の下,
このたび名古屋大学多元数理科学研究科において,
SDYM方程式の数理と可積分構造について,
この分野の専門家の方に詳しく解説をしていただき,
上記の方向やそうでない方向に向けた新しい可能性や
問題点などについて議論する場を持ちたいと思っております.
みなさまのご参加をお待ちしております。
11月7日(土)
13:45〜14:45, 15:00〜16:00:佐々さん
16:30〜18:00:高崎さん
夜(19:00頃〜):歓迎会@多分とりでん
11月8日(日)
09:30〜10:30, 10:45〜11:45:太田さん
13:45〜14:45, 15:00〜16:00:増田さん
16:30〜17:30:予備(多分何も入らないです)
注意事項
関連リンク
連絡責任者:
浜中 真志 (名古屋大学 大学院多元数理科学研究科)
連絡先:E-mail: hamanaka AT math.nagoya-u.ac.jp
( AT を @に直してお使いください。)
最終更新日:2009年11月8日