タイトル: 点平等なq超幾何方程式とその積分解および級数解 アブストラクト: Gaussの超幾何微分方程式は, Riemann球面上の3点0, 1, 無限遠点を確定特異点にもつ2階の線形方程式である. この点平等化 (すなわち, 一般の3点を確定特異点にもつ2階の微分方程式) としてPapperitzの方程式が, またq差分化としてHeineのq超幾何方程式が知られている. しかしながら, 点平等なq差分化は長らく知られていなかった. Hatano-Matsunawa-Sato-Takemura (2022) により導入されたq超幾何方程式の変異版は, 量子可積分系を背景にもつ2階のq差分方程式である. 本講演では, この方程式がGaussの方程式の点平等なq差分類似とみなせることを示し, この観点からEuler型積分解や超幾何型級数解を構成する. 時間が許す範囲で, Kummerの24解のq類似や方程式の接続問題, 多変数化についても話す. なお, 本研究は神戸大学の藤井大計氏との共同研究に基づく.