Abstract: 本講演では、AdS$_5\times$S$^5$背景上の超弦理論を、その可積分構造を保ちつつ、古典r行列を用いて連続変形する方法を説明します。古典r行列は、量子論的なヤン・バクスター方程式(YBE)の古典類似である古典ヤン・バクスター方程式(CYBE)の解であり、可積分系においては最も基本的な量のひとつです。最近の研究から、いくつかの古典r行列に対しては、対応する変形された超重力解が、超弦理論の双対性の観点から物理的意味を持つことが分かってきました。我々は、この関係がより一般に成り立ち、ある種の超重力理論の解の変形は、古典r行列の言葉でパラメトライズ出来るのではないかと期待し、これを「重力/ヤン・バクスター(gravity/CYBE)対応」と呼ぶことにしました。講演では、Lunin-Maldacena背景や非可換ゲージ理論の重力双対を含む、幾つかの具体例についてお話ししたいと思います。 本講演は、吉田健太郎氏(京大理)、Marcos P. Crichigno氏(ユトレヒト大)との共同研究に基づきます。 参考文献; http://arxiv.org/abs/arXiv:1410.0575