Higher Courant-Dorfman algebras and associated higher Poisson vertex algebras アブストラクト: Courant-Dorfman代数はCourant algebroidの代数的な一般化であり、Lie algebroidに対するLie-Rinehart代数のCourant algebroid版であるとみることができる。Courant-Dorfman代数の重要な性質として、次数0の元と1の元から生成される次数付きPoisson頂点代数との1対1の対応関係がある。この対応は、2次元のシグマ模型の対称性を記述する時にあらわれる、Alekseev-Stroblが定式化したループ空間上のカレント代数とCourant algebroidの関係の一般化となっている。 Courant algebroidは次数2のdg symplectic manifoldと1対1の対応関係があり、上記のAlekseev-Stroblのカレント代数はgraded geometryを用いて、1次元多様体から次数2のdg symplectic manifoldへの写像空間におけるカレント代数として理解することができる。さらに、このカレント代数の高次化として、$n-1$次元の多様体から次数$n$のdg symplectic manifoldへの写像空間におけるPoisson括弧であるBFVカレント代数が構成されている。そこで、Alekseev-Stroblカレントの一般化とみなすことができるCourant-Dorfman代数やPoisson頂点代数についても何らかの高次化を与えることができるのではないか、と考えることができる。 本講演では、Courant-Dorfman代数とPoisson頂点代数の高次化を定義し、Courant-Dorfman代数やPoisson頂点代数と同じような性質を持つことをみる。具体例として、上記のBFVカレント代数の代数的な記述を行うことができることを確認する。